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TIMELESSPERSON

2026.09.09

長谷川慎×龍「互いの熱量に背中を押された」“共作”だから生まれた『DANCE EAT RAVE REPEAT』

同じ1998年生まれ、THE RAMPAGEのパフォーマーとして活動しながら、それぞれ異なる感性と美学を磨いてきた長谷川慎さんと龍さん。共著カルチャースタイルブック『DANCE EAT RAVE REPEAT』では、旅先での自然な表情からアーティスティックな撮影までを通して、ふたりの現在地を表現した。共通点と違い、互いへのリスペクト、そしてクリエイティビティの源泉について語ってもらった。

「やりたい放題できたのは、ふたりだったから」

衣装協力/Yohji Yamamoto POUR HOMME

──タイトル『DANCE EAT RAVE REPEAT』にはどんな意味が込められているのでしょうか。

龍さん(以下、敬称略) これは僕が付けました。もともと海外のカルチャーで、“○○ ○○ ○○”みたいに単語を並べるタイトルがカッコいいなと思っていて。『DANCE EAT RAVE REPEAT』は、「ダンスして、食べて、熱狂して、それを繰り返す」という、生き方やカルチャーそのものを表現しているようなフレーズ。人ってそうやって経験を重ねて、繰り返しながら成長していくじゃないですか。

僕たちの場合は“DANCE”が仕事だったり、THE RAMPAGEそのものを表していると思ったんです。“RAVE”にも、夢中になるとか、ナイトライフのレイヴとか、いろんな意味がありますし。自分たちの感性や今の自分たちを作っているものって、そういう日々の積み重ねだと思うんですよね。だから、このタイトルが一番しっくりきました。

──長谷川さんの著書『melt』も、長谷川さんと龍さん、鈴木昂秀さん、後藤拓磨さんの著書『We R』(ともに幻冬舎刊)のときもかなり主体的に制作に関わられていた印象がありますが、今回はさらに力が入っていたように感じました。出版社にも何度も何度も足を運ばれて、それだけ熱量を注いだ理由を教えてください。

長谷川慎さん(以下、敬称略) 本を出版できる機会って、一生のうちに何度もあることじゃないじゃないですか。むしろ出したくても出せない人のほうが多い。そのなかで僕たちのわがままを聞いていただきながら作らせてもらっている以上、中途半端なものにはしたくなかったからです。せっかく作るなら今までにないものを作りたかった。「見たことがない本だね」って言ってもらえるような、インパクトのあるものにしたくて。1ページたりとも妥協したくなかったですし、後悔もしたくなかったんですよね。

──本当に類のない一冊が完成しました。

 僕らふたりとも、気になったらとことん突き詰めたいタイプなので(笑)。お互い忙しい時期もあったんですけど、不思議と「ここはこうしたい」という意見が一致することも多かったよね。

長谷川 うん。考えている方向が近いから進めやすかったし、何より信頼できる相手だったので、「ここは任せて大丈夫」という安心感があった。

──長谷川さんはアパレルブランド『p(R)ojectR®』のディレクションをされていますが、本づくりと共通している部分はありましたか?

長谷川 ものづくりって日頃からいろいろなものを吸収していないとできないんだと思いました。今回の本もレイアウトひとつとっても、これまで自分が見てきたものや感じてきたものの積み重ねがあるからこそ生まれた部分が大きい。洋服も同じで、普段から意識して見たり触れたりしていないと、いざ「作ります」となったときに何も出てこなくなってしまうんですよね。音楽を聴くことも、本を読むことも、アートを鑑賞することもそうだし、クラブに行くことだって同じ。身の回りにあるもの全部がヒントになっていて、今回はそういうものをこの一冊に落とし込んだ感覚があります。

──アウトプットの集大成のような一冊に。『melt』とはまた全然違う作品になりましたよね。

長谷川 『melt』はファッションスタイルブックと銘打っていましたし、どちらかというとファンの方に寄り添った作品だったと思うんです。ファッションを軸に、カッコいい表情だったり可愛らしい表情だったり、比較的分かりやすいものを作っていた感覚があって。でも今回は、もう少し攻めたかった。極端に言うと、「これ理解できるかな?」っていうくらい(笑)。ファンの方を置いていくとまでは言わないですけど、そのギリギリを攻めたかったんです。

でも、たぶんひとりだったらできなかったと思います。龍とふたりだったからこそ「もっとやってみよう」って、どさくさに紛れてやりたい放題できたというか(笑)。ファンの方もこれまで触れてこなかったようなジャンルというか、「これ何なんだろう?」って思う部分もあると思います。でも、その分新しいエンタテインメントとして楽しんでもらえたらうれしいですね。

──一方で、龍さんもトラックメーカーとして活躍されています。本づくりとの共通点をどんなところに感じましたか?

 改めて勉強になったのは、聴く人・手に取る人に「どう届くか」を考えることの大切さです。この本では、どうしたら見やすくなるか、どういう順番なら伝わりやすいかを考えたんですが、音楽も同じで。作っているときはどうしても目の前のことに必死になるんですけど、一度距離を置いて客観視することがすごく大事なんです。作っている最中は「これは…」と思っていても、次の日に聴いたら意外と良かったり、逆に気になる部分が見えてきたりする。ミックス作業なんかもそうで、その場ではいいと思っていても、翌日に聴くと「音が大きすぎたな」とか、「ちょっと耳が疲れるな」とか気付くことがあるんです。

──時間を置くことで見えてくるものがある。

 まさにそうです。本づくりも音楽づくりも、自分の感覚だけで突き進むんじゃなくて、「受け取る人にはどう見えるだろう」「どう伝わるだろう」という視点を持つことがすごく大事だなと感じました。だから、客観的に見つめ直す作業という意味では、音楽制作とすごく近かったですね。

──ファンの皆さんに向けて、「ココを見てほしい・気づいてほしい」というポイントを教えてください。

長谷川 今回は大きく見せている写真もあれば、本当に小さな写真もたくさん入っているんです。実は僕たちのプライベート写真なんかも、すごく小さくたっぷり載せていて(笑)。普段あまり見せないようなおもしろ表情も入っているので、ぜひ見逃さずに探してほしいですね。

 細かいところまで見てほしいよね。

長谷川 たとえば黒と白のスーツのカットも、実は僕らで入れ替えていたり、ダメージを加えていたりするんです。

 あれは現場で足したアイデアだったよね。スタイリストさんがクラッシュ加工を得意とする方で、“きれいなものを壊す”みたいな発想がすごく面白くて。そういう細部も含めて楽しんでほしいですし、今回は本全体の流れもかなり意識して作りました。写真をしっかり見せるパートもあれば、文章で思いを伝えるパートもあるし、自分たちの好きなものを紹介するページもある。種類の違う紙を挟んだりして、あえて違和感というアクセントをつくったり。QRコードからは映像や音楽も楽しめます。ただ写真を並べるだけじゃなくて、一冊を通して体験できるような構成を目指したんです。

長谷川 緩急を大事にしたよね。

 人ってキラキラした部分だけじゃなくて、少しくらいの毒も持っていると思うんです。僕たちもそうだし、みんなそう。だから今回はそういう二面性もあえて出したかった。もちろん楽しいページもあるんですけど、リアルな話をしているページもあって。その振り幅も含めて楽しんでもらえたらうれしいです。

──レイアウトや構成もおふたりで考えたそうですね。

 僕たちふたりとも、本がすごく好きなんですよ。本からカルチャーを学んできたし、本で情報を得てきた。もちろんデジタルは便利なんですけど、“本として残したい”という思いが強くありました。だから、お互い参考にしたい本をたくさん持ち寄って、「このページの見せ方がいい」「このレイアウトが面白い」と話しながら作っていったんです。

長谷川 付箋だらけにしてね(笑)。

 そう、昔のエディターみたいに本をたくさん積み上げて(笑)。

──ページごとに雰囲気が大きく変わるのも印象的でした。

長谷川 そこはすごく意識しました。ただ、やり過ぎてもいけないので。

 大事なのはバランスなんですよね。

長谷川 自撮りだけのページもあれば、読み込める情報量の多いページもある。ちゃんと引き算をしながら、読んでいて飽きない流れを作ることは意識していました。

 写真を抜くところ、情報を詰めるところ、そのメリハリは最後までかなり話し合いましたね。

──今回の制作を振り返って、率直な感想を聞かせてください。

長谷川 大変でしたね(笑)。これまで写真集やスタイルブックは個人名義で出させていただきましたけど、共作するのは初めて。自分が出すぎても良くないし、かといって引きすぎても成立しない。そのバランスを取るのが思った以上に難しかったです。たとえば龍が担当したロンドンパートで思い切り振り切るなら、自分が担当したアイスランドパートでは少し引いてみるとか。お互いのやりたいことを尊重しながら、ひとつの作品として成立させるための足し算と引き算ですね。これも龍とだから、うまくいったんだと思います。

 僕は楽しい気持ちのほうが大きかったです。企画の初期段階から、自分たち次第でいくらでも形を変えられる自由さがあったんです。アイデアを出せば出すほど新しいものが見えてきて。「本を作るってこういうことなんだ」って、すごく勉強にもなりました。

──“ふたりの作品”だからこそのおもしろさですよね。おふたりから持ち込まれた企画と伺っていますが、制作中は“仕事”という感覚が強かったですか?

長谷川 最初はそこまでじゃなかったです。……でも途中から芽生えてきました(笑)。

 締め切りがあるから(笑)。

長谷川 最初は純粋に楽しんでいたんだけど、「おやおや……これは大変だぞ?」って。

 すごいものを走らせちゃったなってね(笑)。

長谷川 締め切りは近づいてくるし、「ちょっと待って」ができない。途中は少し恐怖もありました(笑)。

 あったね(笑)。でもなんとか出すことができてホッとしています。

──制作を通して、「パートナーがお互いで良かったな」と思った瞬間を教えてください。

長谷川 制作を進めるなかで、自分が今まで見てきたものやストックしてきた引き出しでは思いつかないようなアイデアを、龍が次々に提示してくれたんです。「こんなレイアウトを考えるんだ」とか、「こういう見せ方があるんだ」とか、毎日のように驚かされていましたし、そのたびに刺激も受けました。だからこそ、「龍がここまでやるなら、自分ももっとやらなきゃ」と思えた。お互いに高め合いながら作れたのは大きかったですね。

──最初から感性の違いを感じていたというより、制作を通して新しい一面を発見していった。

長谷川 まさにそうです。自分の予想を龍が軽々超えてくるんですよ。もちろん競争しているわけではなくて、あくまで共作なんですけど、「ちょっと負けてられないな」みたいな気持ちにはなりました(笑)。熱量がすごかったので、「もっといいリファレンスを探そう」「もっと考えよう」って自然と思わされましたね。

──龍さんはいかがですか?

 本当にありがたかったですし、何より楽しかったですね。僕たちは好きなものやカルチャー、音楽の感覚が近いんですよ。だからそれぞれ違うことをやっていても、不思議と最後はまとまる。根本のアンテナが近いから、お互いのアイデアをぶつけても成立するんです。

──制作を通して新たに発見したことはありましたか?

 慎は、オンラインで仕事するのが苦手なんだなって。

長谷川 そう!(笑)

 僕は「このページをこうしたい」とか、「1番はこう、2番はこう」って細かく言語化してメッセージを送るんですけど。

長谷川 僕、それができなくて(笑)。『p(R)ojectR®』の進行もそうなんですけど、対面じゃないと進まないんですよ。

 だから、そのあたりは僕が担当していました。

長谷川 完全に任せていましたね。「龍、頼んだ!」って(笑)。

 でも、その分お互いに得意なことが違ったので、自然とバランスが取れていたと思います。

長谷川 本当に。ひとりでは絶対にできなかったですし、ふたりで作った意味がある作品になったと思います。

 今回みたいに大きなプロジェクトを一緒にやって、またそれぞれの場所で頑張って、タイミングが来たら集まる。たぶん、僕らってそういうゆるいバイブス。またどこかで自然と一緒に何かを作るんだろうな、という感覚はありますね。

Culture Style Book『DANCE EAT RAVE REPEAT』

Culture Style Book『DANCE EAT RAVE REPEAT SPECIAL EDITION』¥4,400(幻冬舎刊)
Culture Style Book『DANCE EAT RAVE REPEAT』¥3,630(幻冬舎刊)

​相反する“二元性”を宿した、革新的な共著スタイルブックが誕生。本書では、旅先でのエモーショナルな瞬間を捉えた写真の数々をメインに、東京で深夜から明け方にかけて実施したロケ、アーティスティックなスタジオ撮影を敢行。購入や特典など、詳細はこちらから。

長谷川慎(はせがわまこと)
1998年7月29日生まれ、神奈川県出身。THE RAMPAGEのパフォーマー。ファッションセンスも注目を集めており、アパレルブランド「*p(R)ojectR®(プロジェクトアール)」にも携わる。俳優としても活躍し、ドラマ「離婚後夜」「レッドブルー」(ともに’24年)、映画「TOKYO BURST-犯罪都市-」(’26年)に出演、ドラマ「顔のない患者-救うか、裁くか-」(’26年)では地上波連続ドラマ初単独主演を務めた。現在、ドラマ「恋をするなら二度目が上等 season2」が放送中。
@makoto_lo_olzzz
Instagram @makoto.hasegawa.official

(りゅう)
1998年9月9日⽣まれ、千葉県出身。THE RAMPAGEのパフォーマー。ライブ⾳源など楽曲制作も積極的に⾏い、2025年に発売されたアルバム『(R)ENEW』では「Rizzup」の作曲を担当。現在はDJとしてもイベントなどに多数出演。9月20日には日本最大級の規模を誇る「Ultra Japan 2026」への出演が決定している。
Instagram @ryu_rampage

PHOTO=加古伸弥

TEXT=GINGER編集部

COOPERATION=Yohji Yamamoto POUR HOMME

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