黒木メイサ主演のクライムサスペンス『八神瑛子-上野中央署 組織犯罪対策課-』。主人公・瑛子が、夫の死の真相と裏社会に潜む闇を追うなか、物語の鍵を握るフィリピンの殺し屋・グラニソを演じるのがAぇ! groupの小島健さん。全編英語での芝居に初の本格アクション。未知への挑戦の連続だった撮影を経てたどり着いた“新しい小島健”とは――。
“初めて尽くし”の役作り

――オファーを受けたときや、脚本を読んだときの率直な感想を教えてください。
まずは「自分にこんな役をいただけるんや」という驚きが一番大きかったです。すごく大役をいただいたなと思いましたし、同時にプレッシャーもありました。自分のなかでは新しい要素ばかりやったので、不安もありましたけど、それ以上に挑戦できることが嬉しかったです。
作品自体もすごく魅力的で、自分がこれまでドラマで観てきたような重厚感のある世界観でした。原作も読ませていただいたんですが、本当に面白くて。原作者の方の作品はもともと好きでしたし、映画『ヘルドッグス』も観ていました。もちろん今回はドラマ版として、原作とは設定が変わっている部分もありますが、作品の持つ魅力はそのまま感じました。だからこそ、「こんな素敵な作品に参加できるんや」というのが純粋に嬉しかったですね。
――小島さんが演じるのは、フィリピンの殺し屋・グラニソ。人物像をどのように捉えていましたか?
正直、殺し屋なので理解するのが難しかったです。ただ、アクション練習を重ねていくなかで少しずつ役に近づいていった感覚はありました。ナイフアクションの指導を受けたりしているなかで、「ここを狙えば相手は動けなくなる」とか「こういう攻撃が一番効果的」とか、そういうことを細かく教えてもらったんです。すると不思議なもので、街を歩いているときでも自然と人を見てしまうようになるんですよ(笑)。「もしこの人と戦うならここかな」とか、自分より大きい人を見て「こういうやり方があるな」とか。グラニソだったらどう考えるんやろう、という視点が自然と身についていました。
――監督からはどんな演出がありましたか?
最初は、自分のなかで漫画やアニメに出てくる強いキャラクターみたいなイメージがあったんです。笑いながら戦うとか、ちょっと狂気を見せるような。でも監督から「そんなのはいらない。殺し合いなんだから本気でやればいい。カッコつけなくていい」って言われて。その言葉ですごく腑に落ちました。そこからは、一回一回本気で相手を仕留めようとしている感覚を大事にしました。
――ビジュアル面で意識したことはなんですか?
殺し屋って聞くと、ムキムキで大きな人というイメージもあると思うんですけど、撮影までの期間を考えるとそこまで体を大きくするのは難しかったんです。だから、「殺し屋の怖さって何なんやろう?」って考えました。むしろ痩せていて危うい方が怖いんじゃないかと思ったんです。あと、今回はクマを隠さずに、そのまま活かしています。そもそもメイク自体、アップになったときに気にならない程度で、本当に最低限。なるべくリアルな質感を大事にしていました。
――タトゥー姿もかなりインパクトがありました。
タトゥーは時間がかかりましたね(笑)。全身に入る日は朝から準備していて、1時間以上かけて貼ってもらっていました。でも楽しかったです。タトゥー姿の自分を見て、テンションが上がったので、そのまま街をちょっと歩きましたよ(笑)。
――特に印象に残っているシーンや、お気に入りのカットはありますか?
血まみれになっているシーンですね。後から映像で観たときに、光の当たり方や画角も含めて、自分が思い描いていたグラニソの怖さや不気味さがすごく出ていたんです。役作りのために食事を抜いたりもしていたので、そういう部分も活きたなと思いました。

――主演の黒木メイサさんとのアクションは必見です。
本当にスゴかったですね。動きも速いですし、何よりすごく真面目な方。僕は初めての本格アクションやったので、とにかくついていくことに必死でした。アクションシーンは想像以上に緊張感があって、これまで経験した作品とはまったく違う感覚でしたね。自分では、アクションが向いてるとか向いてないとかも全然わからないですが、楽しかったですし、新しい挑戦としてすごく印象に残っています。
――ナイフアクションもかなり練習したそうですね。
家でもやっていました。ジュニア時代に家でダンスを練習していた感覚を思い出しましたね(笑)。最初は持ち替え方も回し方も全然わからなくて、そこは本当に苦戦しました。
――撮影はどのように行われましたか?
比較的長回しで撮ることが多かったです。だから動きの流れをしっかり頭に入れないといけなかったですし、撮り直しも何回もしました。あと難しかったのが角度。「ちゃんと狙っているように見えるか」とか、「どこまで踏み込むか」とか。深く入りすぎると危ないし、逆に浅すぎると映像で迫力が出ない。そこはすごく繊細でした。
――今回は全編英語での演技でしたがいかがでしたか?
めちゃくちゃ苦労しました(笑)。まずセリフを覚えないとあかんし、発音もありますし、その言葉の意味をちゃんと理解しながら話さないといけない。日本語のお芝居とは全然違う難しさがありました。さらに今回はフィリピンなまりの英語を話すため、アメリカ英語とは少し違う発音なので、教わりながらやっていました。
一番緊張したのは現場でセリフが増えたとき(笑)。たとえば「Cool」というセリフが急に増えて、日本語なら感覚で言えるんですけど、英語だと発音も意味も確認しないといけないので、毎回ドキドキしていました(笑)。特にアントニオ(役/田中偉登さん)と話すシーンは、急にセリフが増えることが多かったので、撮影が終わったあとはふたりでハイタッチしたことを覚えています。

――ダークヒーローがお好きだそうですが、その魅力をどんなところに感じていますか?
単純にカッコいいからですね(笑)。僕、昔から主人公より敵キャラが好きなんです。ちょっと天邪鬼なんでしょうね。『キングダム』の桓騎は、正攻法じゃなくて、自分なりのやり方を貫く感じとかめちゃくちゃ好きです。あとは『バットマン』みたいに、正義なんやけど少し悪っぽく見える存在も好きです。ダークヒーローの信念とか、生き方に惹かれるんですよね。
――そんな思いを抱えて演じたグラニソは、ファンの方にとっても新鮮な役柄になりそうですね。
どう受け取ってもらえるかは、ご覧いただく皆さん次第かなと思っています。僕自身はあのときできることを全部やりました。だから不安というより楽しみの方が大きいです。作品を観終わったときに、「グラニソという存在がおってよかったな」と思ってもらえたら嬉しいですし、「小島でよかった」と思ってもらえたらもっと嬉しいですね。小島健としては、自信を持って送り出せる作品になったと思っています。
【7月24日独占配信】Huluオリジナル「八神瑛子 - 上野中央署 組織犯罪対策課 -」
キャスト/黒木メイサ 毎熊克哉 高良健吾 小島健(Aぇ! group) りょう 奥田瑛二 ・ 池内博之 藤木直人
原作/深町秋生「組織犯罪対策課 八神瑛子」シリーズ(幻冬舎文庫)
監督/廣木隆一、木ノ本浩平、齊藤勇起
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小島健(こじまけん)
1999年6月25日生まれ、大阪府出身。Aぇ! groupのリーダー。主な出演作に、ドラマ「ジモトに帰れないワケあり男子の14の事情」、「帰ってきたらいっぱいして。」、「こんばんは、朝山家です。」などがある。
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