さまざまな経験、体験をしてきた作詞家 小竹正人さんのGINGER WEB連載。豊富なキャリアを通して、今だからわかったこと、気付いたこと、そして身の回りに起きた出来事をここだけに綴っていきます。【連載/小竹正人の『泥の舟を漕いできました』】
第49回「春休みの貰い物」

4月のとある週、締切のある執筆がすべて早めに片付き、突如としてマルっと1週間お休みになった私。やった。
普段なら、絶対にピコやピチャオやミニロと思う存分遊ぶのだが、ちょうど春休み、3人は地方に旅行で不在。
それならば、1週間家から一歩も出ずにNetflixとYouTube三昧で食事は全てウーバーにしようか?と本気で思うが(普段はほぼ自炊)、それをやったらあまりにも不健康で、またまた体調を崩しそうなので却下。
では、ふらりと国内のどこかに一人旅をしようか?と思い浮かぶが、新幹線や飛行機のチケット、ホテルの手配をするのが面倒だし、ちょうど桜シーズンでどこも混んでそうだからこれも却下。
そして思い出す。ものすごくいろんな人と会う約束をしているのに、全然実現していないと。
そこで、会う約束をしていたのに会えていなかった何人かと、ランチまたは夕飯をすることにした。
1日目。YOUと共に今日子宅に夕方前から夜遅くまで滞在。あれやこれや喋りながらも、各自が好きなことをして過ごす(まるで自分の家のように)。私は主に猫と遊ぶ。遊びながらも思う存分癒される。今日子にもYOUにもお土産のキーチェーンやら食べ物やらスキンケアグッズやら書ききれないほどいろんなものを貰った。
2日目。澤本夏輝(FANTASTICS)とランチ。後輩の中では比較的頻繁に会っている方だが、ちゃんと食事するのは久々。今日も今日とて2人であれこれずっと話す。相変わらず旺盛な食欲でほぼ2人前を涼しい顔で平らげる澤さん。食後に少し散歩。この日、彼の1stフォトエッセイ『きらきらじゃない、僕の輝き方』とそれ絡みのグッズをいろいろ、ハンドクリームなどを貰った。
3日目。幻冬舎の編集部の方2名とマッピー(共通の友人)とランチ。全員同世代なので話が尽きず、お店の店員さんに「すみません、そろそろランチ時間が終了なのですが」と言われるまで喋り倒してしまった。喋りすぎ。GINGER編集長にはたくさんの書籍とたくさんのスキンケアグッズを、マッピーには和歌山の釜揚げしらす(絶品)やら青森のイカのおつまみやらいろいろいただく。
4日目。佐藤晴美と原田都愛(CIRRA)と関彩乃(映像ディレクター。私の作詞曲のMVを何曲も撮ってくれています)と4人で夕飯。数週間前、晴美と関ちゃんと私の3人が嘘みたいに同時に「スキヤキが食べたい!」となった瞬間があり、それを実現するため、ちょうど誕生日が近かった都愛も誘って4人でスキヤキ。これまたお店の閉店時間まで一生喋る。晴美が地元山形のたくさんのこんにゃく料理セットをくれた。晴美はいつも、素朴ながらもすごく美味しいものをくれる。
5日目。この日の夜、吉野北人(THE RAMPAGE)と夕飯をする予定だったが、朝から鬼のような頭痛に襲われた私。ホクちゃんとの久しぶりの夕飯を楽しみにしていたが、泣く泣く延期してもらう。
私は急な予定変更やドタキャンをする人に心底ムカつくタイプなのに、まさか自分が…。「体調の方が大事です。別の日にしましょう♪」と明るく優しくいってくれるホクちゃん。なぜそんなに優しい。
6日目。思えば最初の4日間、飛ばしすぎたのである。普段、家の中にばかりいるのに、4日も連続で外出して、声帯痛めるぞ?ってくらい喋りまくっていた私。それでなくてもここ2年ほど体調を崩しがちなのに。学習能力の低さよ。反省しながら、鍼に行く。頭に鍼を刺してもらったら、頭痛が軽減。治療院の待合室で隣に座ったおばちゃんに「飴ちゃんいる?」と、飴をひとつ貰った。効果絶大な治療院なので、関西からわざわざ足を運んだらしい。それにしても…これが噂の(主に大阪の)おばちゃんの「飴ちゃんいる?」か!と、初体験に感動。ハンギョドンの巾着から取り出したブドウ味の飴は帰り道にしっかりいただいた。
7日目。性懲りもなく我が家のすぐ近所の今日子の家に行き(今日子宅は30年前から完全に私の実家と化している)、猫セラピーを受ける。今日子宅の猫・冬子は、間違いなく特別な治癒能力をもっている。冬子を撫でながら、彼女が鳴らす喉のゴロゴロを聞いていると、明らかに自律神経が整う。冬子が少しでも私から離れようとすると無理やり引き寄せるので、私って冬子にはさぞ迷惑な来客だろう。で、眠くなったので帰る(もちろんママチャリで)。帰り際、今日子(前日北海道でライブをやってきた)にお土産のいくらやらお菓子やらを貰う。
こうして終わったちょうど1週間の私の春休み。
お気づきだろうか?
誰かに会うたびに私はかなりの高頻度で何かをいただく。食べ物が多いのは私の食い意地の張り方が人並外れているせいかもしれないし、スキンケア用品が多いのは私があまりにもスキンケアを怠って肌荒れや手荒れが酷いせいかもしれないが、みんなありがとう。遠慮なくいただきます。
名前も知らない関西のおばちゃん。初めての「飴ちゃんいる?」を経験させてくれてありがとう。
ちなみに、会えなかった吉野北人は、モノではないが、「清々しい優しさ」を私にくれた。これまた、ありがとう。
What I saw~今月のオフショット

FANTASTICSの澤本夏輝は散歩(という名のトレーニングとしか思えない)が大好き。黙っていると一生歩き続けるので、私はいつもママチャリまたはタクシーに乗って逃げ帰ります。私に会うときには必ず私があげた洋服を着てくる律儀な澤さん(なぜか「さん」付け)。優しい男です。

我が娘のような佐藤晴美と、我が孫のような原田都愛。晴美が私から引き継いだいろんなものを、今度は都愛が引き継いでくれたらいいなあと思う。ふたりともすらっとしているのにめちゃくちゃ顔が小さいので、一緒に写真を撮るとき私は10mくらい後ろに下がりたくなります。

町田啓太がNetflix「九条の大罪」の撮影中に送ってきた画像。この風貌と表情、一瞬誰か分からなかった。今期のドラマ「タツキ先生は甘すぎる!」ではクルクル金髪で甘々だし、作品毎にいろんな顔がありすぎる啓太だが、中身は16年前からずっと同じ。せつないくらい性格がいい。
小竹正人(おだけまさと)
作詞家。新潟県出身。EXILE、三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、E-girls、中島美嘉、小泉今日子など、多数のメジャーアーティストに詞を提供している。著書に『空に住む』『三角のオーロラ』(ともに講談社)、『あの日、あの曲、あの人は』(幻冬舎)、『ラウンドトリップ 往復書簡(共著・片寄涼太)』(新潮社)がある。

