本当は興味津々なのに、決して踏み出せない――芸人 紺野ぶるまさんの自分観察。【連載「奥歯に女が詰まってる」】
お金を使うことばかり考えてる女

マッサージに行くのが大好きである。
タイ古式、アロマオイル、スパ、鍼などもよく行く。とにかく肩こりがひどい。背中、腰に関しては朝起きて痛すぎて歩くのも困難なときもある。劇的な改善があったことはないが、施術中の寝てるか起きてるかわからない瞑想状態や、終わった後「なんとかなるかも!」という爽快感が好きで自分の必要経費に入れている。
しかし先日ついにお尻にシコリを感じ、足をひきずらないと歩けないレベルになった。
「そういえばなぜ整形外科にわたしは行かないんだ!!!」と気づきかけこむと、MRIを撮るように別の施設に流されて結果背骨が湾曲していることが発覚した。
生まれつきなのか成長過程なのかわからないがこれはもう治るものではない。とにかく曲がっているのでそりゃいろんなところにガタがくるよという話だった。タイとかアロマでよくまかなっていた、「病は気から」とはこのことである。
そしてそこからはリハビリという形でほぐしに通うことになった。短時間ではあるが、その額は保険適用で一回千円いかないくらいである。普段いかに骨盤が寝たまま過ごしていたか、良かれと思っていたストレッチは逆効果だったなど、抜本的に治療してもらっている。
早く行けばよかった。
わたしはいつからお金を使うことばかり考えるようになったんだ。お金が今以上にないときだったら、整形外科に行くことなんて秒で思いついたはずなのに。
そんな反省に苛まれるなか、数ヵ月もしない間にわたしはやはりタイ古式とアロマオイルを求めていた。「病は気から」というより、きっと「気が病」なのだ。どこかで聞いたが、お金を払うという行為は動物のなかで人間だけがする行為らしい。疲弊してるときにお金を使うと自尊心が高まりストレス解消になるらしい。
心とからだは繋がっているというが、どうやら心の方もガタがきているようだ。背中や腰がよくなれば全て解決というわけでもなさそうだ。
それなら骨盤を立てるのと共に、他人ばかりでなく自分自身をたてて、気持ちよくすることが一番のリラクゼーションなのかもしれないと悟った三月なのだった。
最後に
背骨とかけまして
人生と解きます。
その心はどちらも必ずしもまっすぐとは限らないでしょう。
紺野ぶるま(こんのぶるま)
1986年9月30日生まれ。松竹芸能所属。著書に『下ネタ論』『「中退女子」の生き方 腐った蜜柑が芸人になった話』などがある。
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