キレイになるためには気持ちのメンテナンス、意識革命も重要です。業界で絶大な信頼を集める美容ジャーナリスト齋藤薫さんが、独自の視点で「いい女」に近づくためのヒントをお届けします。
“何となく着ている服”こそがあなたの「スタイル」だ
長いお洒落人生では、何を着ていいかさっぱりわからなくなることがよくあるが、そういう迷いとは違った意味で、お洒落のモチベーションが下がって何も欲しくなくなることがある。いや実際買い物に行けばいろいろ目についてしまうのだけれど、頭の中では何かもう新しい服はいらないといった境地に達している。それは一体何を意味するか? じつは自分の「スタイル」が出来上がったことを示しているのである。
探している時は見つからなくても、いつの間にか出来上がるのが「スタイル」。自覚はなくても自分が一番美しく知的に見える服の正解が見えたのだ。ひょっとするとこのコロナ禍で、大してお洒落もしていないからこそ、それが見えてきたかもしれない。
なぜならば、この間、これを着なきゃあれも着なきゃと急き立てられるようにトレンドを追ってはいなかったから。言うならば極めて落ち着いて、自分のワードローブを時々覗いてみるような全く地味なお洒落生活を営んでいたからこそ、自然に見えてきた、そう考えてもいいはず。
今は何も欲しくない、そう思った時、自然に手に取り着ている服が自分の「スタイル」。逆に言えばそろそろ世の中のリズムが戻りそうな今、また次のトレンドはこれ、次はこれ、と追い立てられる日々が始まるのだろう。その前に、自然に見えた自分の正解を確認しておきたい。
実際この数ヶ月何を着ていただろうか。それがあなたの「スタイル」だ。正直またむくむくと買い物意欲が湧いてくるのは当然のこと。ただ一瞬でも物が欲しくなった時、そこが肝なのである。
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