女性医療ジャーナリスト増田美加さんによる連載。人生の基礎になる“健やかな体”を手に入れるための最新知識をお届けします。
普段、私たちが人から見られているのは、正面顔ではなく、横顔や斜めからの無意識の表情のほうが圧倒的に多いですよね。美容のセオリーでは、頬の高い位置にボリュームがあって、フェイスラインがキュッと上がり、シャープなあご…が若々しく美しく見えると言われています。要するに小さいハートのような形をした顔。しかし年齢を重ねるごとに、輪郭にさまざまな変化が起こります。なかでも横顔、斜め顔の美しさの条件から外れていってしまうのが、“たるみ”。輪郭のたるみは最もセルフケアが難しく、メークでもカバーできないところ。では、美容医療でどういう治療ができるのか…鎌倉達郎先生(聖心美容クリニック総括院長)を取材しました。
口角を上げる筋肉を鍛えることでたるみをケア!
人種や年齢を問わず世界的に普遍的な美とされているのは、骨格の張り出しが少なく輪郭のたるみのない、ハートシェイプの顔立ちとされています。しかし、年齢を重ねるごとに、くすみ、くぼみ、肌の質感のなさ、たるみなどの変化を複合的に感じるようになります。特に、横顔、斜め顔の美しさの条件から外れていってしまうのが、“たるみ”。
皮膚がたるむことで、ハートシェイプが崩れていきます。たるみの有無は、人から見て、わかりやすく、目立ちやすい。メークでもカバーできないところです。たるんでいるのは、皮膚表面だけではありません。筋肉の力も衰えているのです。美しい輪郭をキープするには、筋肉の力も必要。
「何気ない表情を美しく見せるためには、普段から顔を引き上げようとする筋肉群を意識して過ごすことが大切です。自分でコントロールできることは、笑顔を習慣にすること! 口角を上げることで、たるみを改善できます。筋肉は鍛えることで同じ状態を保つという性質があるので、口角を上げることは、口周りからフェイスラインのたるみをケアするために効果的な習慣です」と鎌倉達郎先生。
フェイスラインをキュッと上げるには…
しかし、セルフケアだけでは限界があります。横顔、斜め顔のたるみが気になってきたら、口もとからエラまでのフェイスラインをリフトアップする美容医療を行うのもひとつの選択です。
この部分のフェイスラインが上がっていると、頬のボリュームとの差もつき、美しいハートシェイプが作られます。この部分を引き締めることで、小顔効果も期待。
「輪郭のたるみ解消に適した施術は、超音波やラジオ波を照射して 引き上げる『ウルセラシステム(マシン)』や『イントラジェン』などがあります。ダウンタイムもほとんどなく気軽にできる治療です」と鎌倉先生。
ウルセラシステム(超音波によるたるみ治療)
HIFU(ハイフ-集束型超音波)を利用したたるみ治療で、皮膚を支える筋膜層に熱を加えることで、瞬時の引き締めと、その後のコラーゲン生成によるリフトアップ効果が得られます。緩んだ輪郭がシャープになるほか、目の開きがよくなるといった効果もあります。
持続期間/約6か月~1年。
費用/全顔 1回24万円、上顔面 1回13万円、中顔面 1回18万円。
イントラジェン(RFによるたるみ・ハリ改善治療)
RF(ラジオ波)によるたるみ、ハリ改善の治療です。“GFR”という格子状に照射する技術を応用することで、真皮の深層を効果的に引き締め、コラーゲン生成を促します。照射時は熱感を感じる程度で、術後の腫れなどのダウンタイムもありません。肌の弾力が増し、キメの整った肌が期待できます。
治療期間/3か月に1回程度、定期的に受けると効果が継続しやすい。
費用/1回8万円(2回目以降、1回6万円)。
鎌倉達郎
聖心美容クリニック統括院長。宮崎医科大学医学部卒業。日本美容外科学会(JSAS)理事。IMCAS ASIA 2015、2016 Scientific Committee, board member. JSAPS会員。日本美容外科医師会会員。日本形成外科学会会員。日本外科学会認定医。日本再生医療学会会員。日本臨床抗老化医学会会員。日本臨床医学発毛研究会認定発毛診療指導医。
聖心美容クリニック
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