フリーアナウンサーの青木源太さんによる美容×コミュニケーションにまつわる連載。第4回目の今回は、香りについて。
vol.4 香りをまとう人
「パパってなんか臭い」。息子にそう言われたのは、僕が30代半ばに差しかかった頃。「息が臭い」とか「髪が臭い」なら対応のしようもあるが、そうではない。「なんか臭い」のだ。加齢臭なるものも気になり始める年頃でもあるし、ニオイというのは本人が気付かないことも多い。「周りのスタッフさんは我慢していたのかな…?」と、なんだかとても恥ずかしくなった。遠慮なくものを言う息子のおかげで、僕はニオイケアに対する感度を一段引き上げることにした。
自分の体臭を意識し始めたのは、中学生の頃。汗をかく部活をしていたこともあり、朝家を出るときは必ず、制汗デオドラントスプレーをかけていた。以来、今も使っているが、最近では夏場だけでなく、冬もふりかけることにしている。
高校生になると香水も買うようになった。当時の選ぶ基準は「香り」に加えて「誰が」使っているか。アイドル誌のインタビューでは「好きな香水」という項目が必ずあり、売り場でもポップに「人気アイドル○○さん使用!」という表示がよくあった。
僕は日テレに入社後、芸能人の方に直接会う機会があったので、様々な香りに遭遇することもあった。その人の香りを覚えてしまい、誰も乗っていないエレベーターなのに、その残り香で「今日の収録には、あの人も来ているんだな」ということがわかることもあった。
最も印象に残っている香りは、亀梨和也さんだ。スパイシーなのにどこか甘さもあって、高貴な雰囲気は亀ちゃんにピッタリ。私服も大変オシャレな亀ちゃんですが、まさに香りも「身にまとっている」ようであった。
今度会ったとき、亀ちゃんにどこの香水かを聞いて同じものを使ってみようかな…。父が亀ちゃんと同じ香りをまとったとき、果たして息子は何と言うのだろうか。
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