女性医療ジャーナリストの増田美加さんによる連載。人生の基礎になる“健やかな体”を手に入れるための最新知識をお届けします。
温泉で人のお尻をチェックしている女性は、6割以上という調査結果が! また、お尻に悩みがあると答えた人は、約8割。その悩みは、形、大きさが最も多いですが、その次にはザラつき、黒ずみ、ニキビに悩んでいます※。
ボディをツルスベ肌にする解決法を、美容皮膚科医、慶田朋子先生(銀座ケイスキンクリニック院長)に聞きました。
※20代~40代女性150名/2020年9月シーズ・ラボ調べ。
デスクワークが長い人はお尻のトラブルが!
お尻だけでなく、膝、肘、わきなどの黒ずみやザラつき、気になる人は少なくないと思います。また、ボディのニキビあとに悩んでいる人の声もよく聞きます。
お尻のざらつき、ニキビあと、肘や膝の黒ずみ・・・。ボディの皮膚も年齢とともに、くすみ、乾燥してゴワついてきます。
ボディのこういった悩みを解決する方法はないのでしょうか?
「やわらかく、みずみずしい肌と柔らかな肌ざわりをできるだけキープしたいですよね。特にデスクワークが長い人に、ヒップのトラブルが多いのです。
座りダコや、ゴワつき、ザラつきができやすくなります」と慶田朋子先生。
ボディ専用の新しいピーリング治療
「お尻のザラつき、黒ずみはもちろん、膝、肘、わき、背中など、ボディの皮膚のトラブルを解消して、ハリとツヤを高めたい方には、『ミラノリピール』でのピーリングをおすすめしています。保湿力も高め、うるおいのある皮膚に導きます」(慶田先生)。
「ミラノリピール」は、TCA(トリクロロ酢酸)が配合されたピーリング剤。TCAを50%と高濃度に配合したボディ専用薬剤です。国際特許取得の特殊な製法で、赤みや治療中の刺激(灼熱感)が出にくいのが特徴。
「TCA(トリクロロ酢酸)のほかに、4種類の酸——ラクトビオン酸、サリチル酸、酒石酸(タルトル酸)、クエン酸が含まれ、表皮のターンオーバーを促進して、くすみやザラつきを改善します。真皮のコラーゲンを増やすだけでなく、角層のしなやかさを取り戻すことも期待できます。
ほかにも、アミノ酸やビタミンが真皮の線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンを増生して弾力を高める作用も。保湿成分のスクワランも含まれていて、キメを整え潤いをアップさせます。
お尻、膝、肘、わきなどの黒ずみを解消したい人や、デコルテや背中などの細部までハリ・ツヤを高めたい人にもおすすめです」と慶田先生。
【期待できること】
□ お尻・膝・肘・わきなどのくすみや黒ずみ
□ ボディのゴワつき、キメの粗さが気になる
□ ボディのニキビを改善したい
□ 首・デコルテ・バスト・ヒップ・手の甲など、皮膚のハリやツヤを高める
□ 肩や背中をきれいに
□ 二の腕のブツブツなど毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)のザラつき
気になる施術方法は?
「ミラノリピール」(薬剤)をマッサージするように、やさしく擦りこみます。皮膚深部に浸透させるため、塗布後に3~10分程度、おきます。
最初は何も刺激がありませんが、薬剤が皮膚の深い部分に浸透するに従って、多少ピリピリ感があります。
しかし、薬剤を拭き取ったあと、冷やすとすぐに治まります。痛みはほとんどなく、ダウンタイムも気になりません。
写真のように、2~3日で薄皮がペロペロとめくれてきます。これも数日でおさまり、その後、ツルツル肌が現れます。
「このような薄い皮剥けが起こりますが、ターンオーバー促進作用によって起こるものなので、無理にこすらないようにしてください。
写真は肘ですが、お尻など部位によっては、つっぱり感、赤み、乾燥などをともなう場合があります。けれども数時間~数日で治まります。
また、入浴は当日からOKですが、施術後の皮膚は刺激に敏感ですので、摩擦など強い刺激は与えないように注意してください。
約1週間程度で、自然に剥がれて、ツルっとした肌の生まれ変わりが実感できます」(慶田先生)。
ミラノリピールの施術頻度と注意点は?
——何回で効果を実感できますか? また、どのくらいの間隔で行うと効果的でしょうか?
「肌状態や年齢によっても異なりますが、10日~14日に1回のペースで、4~6回程度の継続をおすすめします。
肌のなめらかさやツヤは、1回でも実感できますが、黒ずみや色素沈着の改善が目的の場合は、複数回の治療が必要です。
また、定期的に継続することで、さらに効果の持続が延長します。皮膚の弱い人ですと赤みが出る場合があるため、皮膚の反応を見ながら、施術時間を調整しています」と慶田先生。
【ミラノリピールの注意点と行えない人】
・日常的に日焼け止めを使用して、紫外線から肌を守りましょう。
・保湿をしっかりと行いましょう。
・施術後の皮膚は、刺激に敏感ですので、摩擦などの刺激はしないようにします。当日の剃毛もNGです。
・レチノイン酸を使用している人は、1週間前から中止します。レチノールは3日前から一旦中止します。施術後に使用する場合は、3日後から再開してOK。
また、次の人は、治療を受けられない可能性があります。
・施術部位の激しい日焼け直後、または日焼けする予定がある人
・皮膚に未治療の湿疹や炎症、傷がある人
・極度の敏感肌
・ヘルペスの症状が出ている人
・トリクロロ酢酸(TCA)のアレルギーがある人
・ラテックスアレルギーのある人
・妊娠中
ミラノリピールの薬剤の特徴は?
従来のTCA(トリクロロ酢酸)は、材質が不安定で酸化しやすく、品質を保つために取り扱いに注意が必要なものでした。
そこで、ミラノリピールの薬剤は、親油相と親水相の2層構造。そうすることで、品質の安定性が保たれます。親油相が、親水相の上に浮き、ボトル内部の酸素との接触を防ぎ、TCA(トリクロロ酢酸)やほかの成分の酸化を防止します。
ほかにも、この薬剤の特徴をまとめると、線維芽細胞のコラーゲン産生を活性化し、コラーゲン、エラスチン産生を高めます。GABAが、筋肉を緩和させ、しわを予防。
さらに、アルギニン、リボフラビンにより、血流が改善され、コラーゲンの合成、血管新生、皮膚上皮の組織成長因子の産生が促されます。
5種類の酸——トリクロロ酢酸、ラクトピオン酸、サチリル酸、酒石酸(タルトル酸)、クエン酸により皮膚の角層をごく薄く溶かして、表皮のターンオーバーを促し、くすみやザラつきを改善。
また、ニキビができるのを抑え、開いた毛穴を引き締めます。さらに、セラミドの合成を高め、バリア機能をアップ。
スクワラン、ミリステイン酸イソピロピルが、皮脂膜に代わり、バリア機能をサポートし、乾燥や肌荒れを防ぎます。
「これらの特徴から、ミラノリピールは、お尻をはじめ、ボディの黒ずみ、ザラつき、ニキビあとなどへの悩みをもっている方におすすめの治療です」(慶田先生)
【ミラノリピール費用】
わき、肘、膝 各1部位・1回 ¥12,000
上腕外側(肘も含む) 各1部位・1回 ¥25,000
背中(上下各)・腹部・でん部 各1部位・1回 ¥30,000
※この部位は一部。ほかにもボディ全身に施術可能です。
●教えていただいたのは・・・
慶田朋子(けいだともこ)先生(銀座ケイスキンクリニック院長)
医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。
【銀座ケイスキンクリニック】
東京都中央区銀座1-3-3 G-1ビル5F・6F
03-6228-8020
フリーダイヤル:0120-282-764
https://www.ks-skin.com/
増田美加の記事をもっと読む。