「ファッションはもっと自由に!」そんなポリシーを抱くスタイリスト長澤実香さんがモード・コンサバなおしゃれをナビゲート。今月は、新クリエイティブ・ディレクター、マチュー・ブレイジーによる、新生ボッテガ・ヴェネタのデビューコレクションをご紹介。
クリーンで洗練された新感覚のセットアップ
独特の柔らかいフォルムを生み出しているコートは、横から見ると前傾の曲線美を描き出している。ボトムスの裾は後ろに向かって緩やかにカーブし、存在感のあるブーツのチャンキーヒールも優しい曲線を描く。
日常的で写実的なトロンプルイユデザイン
どこから見てもデニム生地に見えるこのボトムスは、ヌバックで布帛を再現したトロンプルイユ(だまし絵)パンツ。ブランドの核であるレザーと職人技で、セクシーなイタリアの女性像を表現。
シンプルで終わらない、美しいカラーレザーシャツ
オーバーサイズの鮮やかなイエローシャツもレザー素材。どのように動き、どんな生活をするかがイメージできる日常性と、最高級レザーのクオリティは、タイムレスに愛されていく。ボトムスにはレザーを編み上げたイントレチャートのミニスカートを。
恋人のビジネスシャツを極上のドレスに見立てて
いわゆる“彼シャツ”のようなビッグサイズシャツも、ヌバックレザーで仕上げられたもの。パワフルなサイハイブーツを合わせても、軽やかな少女性を思わせる。
「ボッテガ・ヴェネタの新章。イタリアの職人による伝統技と、レザーで仕上げた日常性の表現が見事です。どこか建築をイメージさせるシルエットも今までにないもの。デニム生地ではないジーンズ、布帛を再現したシャツなど、ユニークなクリエイションが続き、私たちを飽きさせない。今だけでなく、10年後、20年後も寄り添う服になると思います」(長澤さん)
佐久間由衣(さくまゆい)
1995年3月10日生まれ、神奈川県出身。2013年に芸能界デビュー。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」、ドラマ「彼女はキレイだった」「最愛」「初恋の悪魔」などに出演。昨年は映画『君は永遠にそいつらより若い』で主演を務める。現在はNHKドラマ「オリバーな犬2」に出演中。’23年度前期NHK連続テレビ小説「らんまん」にも出演予定。
長澤実香(ながさわみか)
1974年生まれ、北海道出身。雑誌・広告のスタイリングのほか、ベビー服ブランド「Hijiki.」も手がける。モノの背景に宿るストーリーや、まとう女性像からスタイルを提案。モデルや女優からの支持も厚い。
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