「ファッションはもっと自由に!」そんなポリシーを抱くスタイリスト長澤さんが、モード・コンサバなおしゃれをナビゲート。今月はディオールのクルーズ コレクションより、イタリア・プーリア州の伝統工芸を讃えインスパイアされたという、ファンタジックな世界をお届けします。
女性の持つタフさを自分らしく表現
シルク&コットンキャンバスのドライな質感は、小麦の穂が一面に広がる畑をイメージさせる。素朴な自然を表しつつも、胸元のフラワー刺しゅうで女性らしさをしっかりと潜ませたスタイルに。
着崩すことが強さになる3ピースの新解釈
真面目な3ピースをイージーに着こなす、新しいディオールのシルエット。伝統的なテキスタイルがモダンに生まれ変わります。
伝統的な織物技術を讃えるブラックドレス
熟練の手作業で生み出された繊細なレース。贅沢で美しいこのブラックドレスを、田園の女性が描かれたカメオのチョーカーで仕上げます。今コレクションのアクセサリーはプーリアの風景、その自然から着想を得たものだそう。
絵本の物語、今回の主人公は美玲
「ディオールといえばフェミニンな女性像を描く人が多いかもしれませんが、単純な甘さではない表現にしたかった。そんな思いがあって、ひとつのファンタジー、絵本の物語のように仕上げたのが今回のクリエイションです。主人公は美玲さん。彼女の儚げな佇まいがこの物語の世界観に見事にフィットしました。
素朴ながらもパワーを感じる今季のディオールは、現代女性にぴったりのコレクションだと思います」(長澤さん)
長澤実香(ながさわみか)
1974年生まれ、北海道出身。雑誌・広告のスタイリングのほか、ベビー服ブランド「Hijiki.」も手がける。モノの背景に宿るストーリーや、まとう女性像からスタイルを提案。モデルや女優からの支持も厚い。