自他とも認めるおしゃれさんだからといって、それがイコール“モテる”に直結するわけではありません。だからといって、男目線を意識しすぎた媚びたファッションで、自分スタイルに反するおしゃれはしたくないもの。とはいえ、もしあなたがおしゃれなのに“非モテ”な状態に陥っているとしたら、ちょっとコーディネートを見直してみませんか? まずは男性の本音に耳を傾けて、取り入れるべきところは取り入れる。彼らの本音は、無視できないような、世の中の“普通の感覚”の上に成り立っていたりもして、それはそれでナルホド~という部分が多いのです。
そんな彼らの、女性のファッションに対するリクエストを確認しながら“モテる女”のおしゃれについて考えてみましょう。
男たちからのリクエスト① “抜け感”はいいけど“抜きすぎ”はやめて
女性ファッション誌で連発されているフレーズのひとつ、“抜け感”。抽象的な表現ながら、おしゃれな人は“抜け感”の「ある」「なし」の違いを、きちんと把握しているはず。
きちんと系のトップスときちんと系のボトムスを合わせたら、足元はプレーンなパンプスではなく、あえてぺたんこ靴で「ハズす」でしょ、みたいな。
しかしこの“抜け感”を、“頑張りすぎない、力を抜いたかんじ”とだけ解釈してしまい、楽ちん方向に偏った“どカジョアル”に振りすぎている人も多いので要注意。
「彼女がズルッとしたニットに、すごく太くて長い丈のパンツをはいていて・・・。色気なさすぎだからそれやめようよ、と言ったら『え!? この抜け感がトレンドなんだよ』と返された。正直、理解不能です・・・」(公認会計士・36歳男性)
というコメントからもわかるように、ハズしすぎた“抜け感”はやっぱりモテやしません。
あくまでも、きれい、可愛げがある、色気がある―—という愛され要素を残しつつの、ハズしワザを駆使するべし。
オーバーサイズニット+ワイドパンツの組み合わせなら、ヘアはまとめて顔まわりすっきり&うなじ見せ。首だけでなく、手首、足首も露出しての3首見せはやはりマストです。さらに足元は上品見えのヒールパンプスを合わせるとかとか・・・。
ディテールまできっちり計算して整えてこそ、モテにつながる“抜け感”は生まれます。
男たちからのリクエスト② わざわざ“マニッシュ”とか狙わなくていい
人は自分にないものに憧れ、興味を持つ生き物。だから男性は、自分たちが着ない、着られない服を着こなす女性をステキだなと思うわけで。ワンピース、スカート、フリルやレースのブラウス・・・それが“女っぽい”との代名詞になるのは、つまりはそういうこと。
だからこそ、女性がおしゃれ見えを狙って取り入ている“マニッシュ”や“ボーイッシュ”なアイテムは、そのアイテム自体にコーディネート全体の印象を引っ張られないように。あくまでも、“マニッシュ” そして “ボーイッシュ”なアイテムを効かせた女らしいコーディネートを目指すのが正解。“男っぽく”“少年っぽく”見せたいわけじゃないのですから。
つまり、女っぽさを際立たせるために“マニッシュ”を使う。使い方を間違えると、モテない女一直線です。
写真のスタイリングのように、マニッシュなMA-1ふうブルゾンを着るならば、視覚的にだんぜん強く印象に残る白のプリーツスカートを合わせる(デニムパンツ合わせはNGですね)→ 結果、プリーツスカートの女っぽい印象が勝つ! このコーディネートで現れた彼女に、がっかりする男性はいないでしょう。
男たちのからのリクエスト③ クールより“あったかい”が好き
「ちょっとツンとした美人がいたら、男の狩猟本能はくすぐられるけれど、実際に付き合い始めたらいちいち機嫌とか取るのが面倒。最終的に選ぶのは、気立てのいい癒し系のコになる」(コンサルティング会社勤務・29歳男性)という、あ、やっぱりそうでしょうね、という発言を耳にした筆者は、それはファッションでも然りと痛感しました。
男性は、かちっと印象のケーブルニットより、ふんわりニットがお好き。
冷たい印象のレザーより、もこもこしたムートンがお好き。
とんがったポインテッドトゥのパンプスより、丸みのあるアーモンドトゥがお好き。
攻撃的なアニマル柄よりも、愛らしい花柄のほうがお好き。
カッコいい黒よりも、優しいベージュの服を着た女子がお好き。
寒色系でまとめた着こなしより、暖色系でまとめた着こなしがお好き。
・・・とにかく、冷たい印象よりも“優しそう”で“柔らかそう”で“あったかそう”なほうがお好き。
攻撃的に見えるアイテムより、可愛くて、華やかで、上品見えなアイテムを着こなした女性のほうが、本命の彼女に選ばれやすいということですね。あまりにも単純すぎるけれど、それは明らかなる真実なのでした。
男たちからのリクエスト④ いつも同じ顔ばかり見せられてもツマラナイ
かつて“ツンデレ”カフェなるブームがありましたが、いつのまにか終焉。でも、男ごころに潜む“ツンデレ”好きは、消えてはいません。
「オフィスではいつもシャツスタイルの女子が、社員旅行でピンク系のワンピースを着てきたときの男どもの動揺は半端なかった(笑)」(電機メーカー・28歳男性)って、そういうベタな話を聞くとこっちが動揺です(笑)。
いわゆる“ギャップ萌え”ってやつは、ファッションにおいても求められている重要な要素。ジャケットを脱いだら、ノースリーブだった。オンではいつも“きれいなお姉さん”スタイルなのに、オフの日に会ったら“やんちゃな妹”みたいに女のコっぽいスタイルてドキリとした。——そういう、二面性に惑わされたい、翻弄されたいという男性の願望も意識してみましょう。
実はあなたのなかにも潜んでいる“変身願望”を駆使して、たとえば同じ服を着回すとき、特別なシチュエーションでのデートやイベントなどなど・・・シーンに合わせて、いつもと違う自分を演出するテクニックも磨いていきましょう。
男たちからのリクエスト⑤ オレと相性のいいファッションを考えて欲しい
街ゆくカップルを観察していると、男女のどちらかが明らかにおしゃれレベルが高くて、片方だけが目立っているというアンバランスなペアを見かけます。
だいたいが、女子の方がおしゃれさんというケースが多くて、まるで彼氏が付き人みたいに見えたり(笑)。
「自分と会うときは、2人でいて浮かないおしゃれレベルにしてほしい。とくに仕事帰りに会う場合は、こっちはスーツなわけだし」(証券会社勤務・37歳)
「カップル単位で集まってBBQしたときに気付いたけど、服装がちくはぐなカップルは交際歴が浅いか、別れが近い(笑)」(飲食店経営・42歳男性)
——自分の彼女がおしゃれであることは大歓迎だけど、それはモード過ぎたり、ラグジュアリー過ぎたり、いかにも流行最先端・・・であって欲しいわけではない。
彼と一緒に行動するときは、彼と一緒にいて絵になる私、という想像力を働かせて着こなしを組み立てる必要あり。
そのためには、普段から彼のことをきちんと観察できていたり、自分たちがどう見えているかを客観的にジャッジできたり、つまり、自己中心的なおしゃれをしない、ということなのです。
モテるvsモテないのボーダーラインは、決して難しいことではありません。
一つひとつを検証してみると、それはおしゃれだけの話ではなく、相手の気持ちを配慮するということであり、一緒にいることを楽しんでもらうための気遣いと心得て。
TPPO(時、場所、相手、シーン)を計算したおしゃれをすることは、大人の常識。“モテるおしゃれ”とは、つまり特別なことではなくて、普通のことをきちんとクリアしていく先にある、基本的なスキルなのかもしれません。
そう理解すれば、男性と会うシーンでの“自分らしくモテるおしゃれ”の正解が見えてきませんか?