ファイナンシャルプランナーの花輪陽子先生が、最新のマネートピックスを解説! 知っているようで知らないキーワードや、複雑でも私たちの暮らしに直結しているニュースなどを、サクッと整理して学びましょう。
日本円の貯金は不利になる?
皆さんは現在、資産運用をしていますか? 貯金だけ、という人も少なくないと思います。確かに現金預金は安心感がありますが、よく言われているように、運用せずに貯めておくだけでは結果として損する場合もあります。
米国の労働省が5月12日に発表した、4月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、総合指数が前年比4.2%上昇し、2008年9月以来、約12年半ぶりの大幅な伸びを記録しました。世界は今、インフレ傾向にあります。
●インフレ(インフレーション)とは
一定期間にわたって物価が上昇する状態。相対的に、通貨の価値は下がる。
各国政府が国債などの買い支え(量的緩和)をしたり、給付金を配るなどしてマネーの総量が増えた分、株式や不動産市場にお金が流れています。反対に、現金の価値は希薄化されています。不動産や原油などの物価が高くなれば、お金の価値が下がるからです。
そんななか、インフレに一番弱いのは現金です。特に債務の膨らむ日本円は厳しい可能性があります。国力が弱くなると一般にその通貨の価値も弱くなるからです。
インフレ時に有効な資産運用は?
一般にインフレ率が1〜3%にとどまる場合、株式、オイル、金(ゴールド)、物価連動国債などが有効です。
日本の個人向け国債を買う場合も、物価連動国債を選ぶべき。変動10年を選べば対応できます。金(ゴールド)は純金積立などもできますね。
インフレ率が3%を超えてくると、株式市場にも悪影響があり、インフレ率を超える成長が見込まれる企業でないと厳しくなります。3%を超える場合、現金、先進国の株式、政府債券などでの運用が難しくなってくると思っておいたほうがよいでしょう。
まだ投資をしていない人は、これを気に自分の資産運用を見直してみるのはいかがでしょうか。そして投資をしている人はぜひ、今後、どれくらいインフレが見込まれるのかを気にしながら運用していくことをおすすめします。
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