恋愛、仕事、結婚に家族や病気…。30歳前後は、常にたくさんの悩みがつきまとい決断することも多いタイミングです。それぞれのテーマで、「する前」と「してから」を取材。今回は、佐藤葵さん(仮名 30歳/IT系フリーランス)に、同棲について聞きました。
File4. 同棲、する前としてから
佐藤葵さんが以前の彼と同棲を始めたのは26歳のとき。
「8歳年上で、会社を経営している人でした。家賃は彼が出してくれたので、私は生活が楽になりましたね」
週末に突然の沖縄旅行をプレゼントしてくれたりと、リッチに楽しませてくれた彼。けれど同棲しているうちに気になることが。
「一緒に暮らすことで、束縛がひどくなっていきました。家の中でスマホを見ることも許されないくらい」
さらに生活費のほとんどを負担してもらっている負い目から、自分の意見も言えなくなり、だんだん相手を怖いと思うようになった。あげく彼の浮気も判明して、佐藤さんは29歳のときに家を出ることを決意。
「家を出るとき一番モメたのが、ふたりで飼っていた犬をどっちが引き取るかということ。犬を迎えたときは、この先ふたりはずっと一緒って思ったんでしょうね。本当に浅はかでした。もう親権争いみたいなものでした(笑)」
犬を渡せば、引っ越し費用を払ってやる、とまで言われたけれど「お金じゃない」とはねのけて愛犬とともに引っ越し。
「自分のお金で家を借りて、自分で生活できるようになったとき、やっと自由になったなと。と同時に、それまで言えなかった自分の意見を彼に言えるようになっていったんです」
同棲は解消したものの自立したことでやっと彼と対等な関係になれたそう。結婚も申し込まれたけれど、結局彼の浮気性が直らず佐藤さんが30歳のときに破局。
「30歳になってからは人を好きになりづらくなってしまって。前の彼は贅沢もさせてくれたし、刺激的だったから、同棲を解消してから出会う男性を、つい彼と比べてしまうんです。なんだかんだ彼のこと、好きだったのかな。それとも贅沢な生活が忘れられないだけなのかな。それももうよくわかりません」
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