ファッションウェブマガジン「LIV,」の主宰であり、フリーエディターの乙部アンさんが語る、ものごとの本質を知り、満たされる毎日を過ごすためのヒントが分かる連載「オンナの生き方・磨き方」。vol.25となる今回は、もしかして行く先々でけむたがられているかもしれないショップやレストランでのNG行動から、素敵な大人になるための振る舞いを学びます。
リアルとメール上でのギャップが大きい女子多発中!
人の本性というものは、得てして“誰も見ていない場所”であらわになります。とくに注意したいのが自分が“お客様”の立場になったとき。言い換えれば、気を使われる立場になったときです。
大抵のことは少々の無礼も「お客様だから」ということで、見逃してもらっているはずですから、当の本人は気づきにくい厄介な部分。本当はありえないような要求や問い合わせをしたとしても(つまりはモンスター客だとしても)、店側は穏便に済ませようと丁寧に接してくれたりするのです。
その一つがメールでの問い合わせ。自分が客の立場であって、なおかつ相手の顔が見えないと気が大きくなるのか、問い合わせメールでまるで友達同士のようなカジュアルな文面を送ったり、あたかも面倒くさそうに用件だけをぶっきらぼうに書き込んでいるような例はかなり多いのだそう。最近は絵文字や顔文字を使わなければ文章を作れない人までいるのだとか。
そういう人に限ってまわりの友人知人には受けが良い場合が多く、直接注意されることは少ないそうですが、それではただの外面だけが良い人になってしまいます。...決してエレガントなことではないですよね。
GINGER世代は、確かにまだまだ若い。けれど立派な大人です。自分がたとえお客様の立場でも、冷静かつ丁寧なメールを送れるように心がけましょう。普段キラキラしている女子が、一方でモンスター客として恐れられているだなんて、あまりにも残念すぎますから!
試着室で、ホテルで...出ちゃってます!
私がパーソナルスタイリストをしていたときによく目にしていたのは、素敵女子の試着後の残念さ。脱いだ服は裏返し、試着中の服は床においたままだなんてよくあること。ぐちゃぐちゃのまま店員さんに服を戻して「やっぱりやめます」と無愛想にしている大人に苦言を呈したこともあります。
無駄に愛想よくする必要はもちろんありません。が、試着した服はまだあなたのものではありません。たしかに店員の仕事のうちには、服を戻したりたたんだりすることが含まれているでしょうが、そのなかにも礼儀やリスペクトってあってしかるべき。
同じようにホテルや旅館に泊まったときに、ここぞとばかりにやりたい放題する人も。片付ける人、掃除する人がいるからといって、こちらも何をやってもいいわけではありませんから、非日常は楽しみつつ、少し想像力を働かせて品格のある行動を心がけてみましょう。
どんなにいい顔をしていてもバレる無作法
レストランなどでは、友人との会話に夢中になってお店の雰囲気を壊したり、サービスを無碍にしてしまう人がいます。これも実に残念なこと。
食事そっちのけでSNS用の写真を撮っていたり、平気でお料理を残したり、食べた後のカトラリーやナプキンが散らかっているのも、視野が狭くなり自分たち以外のことが見えなくなっている証拠です。素敵な店内で自撮り棒とフラッシュを使うツワモノまでいます。けれどもしもその店が二度と行かない場所であっても、相手のため、そして自分のために...客の立場だとしても、最低限の気遣いはしていたいものです。
「お客様は神様です」という文句がありますが、これはあくまで店側が思うことで、客側が言っていいことではありません。お金を出す立場とはいえ、ものを買うということは売ってもらうからできること。ショップやレストランの方々とは人間同士対等です。これはオンラインショップでも同じことが言えるのです。
お互いよく知らないもの同士だからこそ、相手へのリスペクトを忘れずに。そんな心がけのある素敵女子は、特別アピールしなくてもきっと優雅さが伝わるもの。反対に、好きな人の前でどんなに素晴らしく自分を取り繕っていても、“自分が決めた重要人物以外の人たち”に無作法な人はすぐにバレてしまいます。
とくに目に見えない部分がフォーカスされるのがこれからの時代です。誰に評価されなくても胸を張っていられるような生き方をしたいものですね。
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