同じメニューでも「どんなふうに」食べるかによって食事の時間がぐっと豊かに。自分のライフスタイルに合った器の選び方を、人気器店・宙SORAの吉田美穂子さんがレクチャー。
お皿との出会いは直観を大切に。組み合わせ次第で変化を楽しめる
「器というのは出会いのもの。『○○皿を買いに行こう』と思ったときにちょうどよく出会えるものではありません。逆に言えば、もしふらっと立ち寄った器屋さんでぐっとくる器と出会ったらそれは運命。直感とご縁を大事にするのが、お気に入りの器に囲まれて暮らす秘訣です。最初の一点に出会ったら、その器と合いそうかどうかを判断基準に増やしていくといいでしょう。トライアンドエラーを経て自分らしい食器棚を育てていくものですが、ちょっとテイストが違ったかな、と思っても、下に敷くお皿や一緒に使う器などの組み合わせしだいでなじむこともあります。また木やガラス、染付、高さのある器や楕円形の器など、素材や形もいろいろあると組み合わせが楽しくなります。
和食器と洋食器をそれぞれ揃える必要はないと思います。和食器にステーキやカレーを盛っても素敵ですし、テイストさえ合っていれば、混ぜて使っても面白いものです。陶器と磁器は両方持っていたほうがテーブルに変化が生まれます。また単品でインスタなどに料理写真をアップするなら、土もの(陶器)のほうが写真映えするものが多いでしょう」(吉田さん)
3つの料理タイプ別に、器選びのポイントを伝授!
TYPE A:カフェごはんのようなワンプレートスタイル
最近は糖質オフが一般的になって、飯椀を使わない人も増えているよう。そんな食生活なら大きめのプレートを1枚用意して。加えてデザートや副菜に使える小鉢と、これもデザートにスープにサラダにと活躍するそば猪口があればカフェスタイルが完成。
1. こいずみみゆきさんの八寸平皿。肉と野菜、パスタ、パンと目玉焼きなどに活躍。
2. 木曽志真雄さんの粉引掛分皿はメイン皿に入らない品に。
3. 平野寅和さんのそば猪口はデザートにも。
TYPE B:1皿ずつちょこちょこ盛りたいあなたに
ご飯と味噌汁を毎食食べる人や、一品一皿でないと嫌、という人は小さい器をいろいろ取り揃えると便利。形やデザインの異なるものを混ぜるのが新鮮なテーブルに仕上げる秘訣。自分の食事の量をイメージしてちょうどいいサイズのものを選ぶのがポイント。
1. 林健二さんの楕円皿は便利な一枚。
2. 杉田明彦さんの漆の椀は修理できるのが魅力。
3. 木曽志真雄さんの小皿はお茶菓子盛りにもぴったり。
4. 荒賀文成さんの粉引飯碗は小ぶりで使いやすい。
5. 林健二さんの白磁六.五寸皿はデザートやパン皿に。
TYPE C:定番メニューが丼もの&麺なら
家での食事は、パスタ、チャーハン、カレーなど、炭水化物中心の一皿メニューになりち、という人なら、平鉢を吟味して。ラーメンやスープパスタなど汁気の多いものが好きなら、深さも十分あるものを選ぶべし。逆に浅めなら大皿代わりに使うことも可能。市野雅利さんの灰釉七寸鉢はワンランク上の料理に見える!
宙SORA
東京都目黒区碑文谷5-5-6
03-3791-4344
http://tosora.jp
※6月11〜19日蜂谷隆之(漆器)・伊藤淑潔(陶器)展開催。