何気ない雑貨一つも洗練されていたり、一方で定番の一着も絶妙に着こなしていたり…。おしゃれな人って、いったい何が違うの? その秘密は自宅にアリ! デザイナーやスタイリストなど、センスで生きている素敵な人の自宅を覗いて、そのテクニックを解明します。
必要最低限のものとお気に入りだけを残す
今回ご紹介するのは、ジュエリーデザイナーとして活躍する山田みどりさんのご自宅。年に数度ヨーロッパへ買い付けに訪れ、素材の個性を活かしたジュエリーを生み出す山田さん。彼女のアトリエ兼自宅は、そんな旅先から連れ帰った家具や日当たりの良い部屋で育った木々で構成されています。
ワンルームのアトリエ兼自宅。生活用品を最小限に厳選し、美しいヴィンテージに隠せば生活感ゼロに。「うちにはテレビもゴミ箱もティッシュボックスもありません(笑)。自分にとって不可欠なものを見極めることが鍵ですね」。
アイアンや真鍮、ステンレス素材で「硬質な味わい」をプラス
「床や植物など木の素材が目立つので、ステンレスや真鍮、石、ガラスなどで硬質さを、レザーなどで上質感を添えています」と山田さん。ジュエリーの素材や梱包材、展示什器類は、大小のトランクに収納(写真左)。部屋の印象を意外と左右するマガジンラック(写真右)は「必要な時に買おうとせず、出合いを信じるべきアイテム!」とのこと。
古いものが生み出す味わいを感じる一角。左の棚は、集合住宅の郵便入れ。細々した雑貨はすべてここに。
ダイナミックなグリーンを取り巻くアイテムも厳選
白いレザーソファが部屋全体の抜け感と上質さのバランスを生み出しています。レザーのツヤ感は金属との相性も◎。
照明は形の少しずつ異なるものを高さにも変化をつけて吊るすことで、視線の先にリズム感をつけています。
窓辺の大きなグリーンのコーナーには鳥や蝶の剥製や標本もディスプレイされていて、小さな楽園があるよう。
山田さんのご自宅を彩るのは、一点一点こだわり抜いた選りすぐりの家具やインテリア。家は人の内面を映す鏡であり、感性を刺激する場です。衝動買いで物を増やすのではなく、部屋に合うものを丁寧に取捨選択することが、結果的に自分のスタイルに結びつきます。自分らしく心地よい部屋づくりのために、日々の買い物から見直してみましょう。
山田みどり(やまだみどり)
「gren by M」デザイナー。ヒコ・みづのジュエリーカレッジ卒業後「グレース」にてアクセサリーやバッグのデザイナーを経て2007年独立。セレクトショップやオンラインストアで展開中。この部屋に暮らして9年目。