業界を跨いで多角的な広がりを見せている日本のアニメ。アニメのよさと、30歳前後の働く女性におすすめの作品を、アニメコラムニストの小新井涼さんが解説。観ればきっと人生が何倍も楽しくなる!
アニメから得られる5つのイイこと
「アニメがきっかけで人生が変わった!」と語る小新井さん。アニメを通して得られるうれしい効果とは?
1.職業や年齢を超えた出会い
台詞やキャラクター名が共通言語となり、職業や年齢、国籍などに関係なく、初対面でもファン同士で話が盛り上がります。海外のアニメファンの間では「SENPAI(先輩)」など、アニメなどを通して英語に定着した日本語もあります。合言葉のようになっていて、英語が話せなくても一気に距離が縮まりました。
2.見るほど知識が増えていく
スポーツのルールはすべてアニメから学びました。「Dr.STONE」という作品で学生時代に関心が持てなかった科学の面白さを知り、国を擬人化した「ヘタリア」シリーズでは世界各国の文化にも触れることができます。作品にハマるとその分野にもっと詳しくなりたいという想いが芽生え、楽しく知識が身に付きます。
3.健康とキレイを底上げ!
声援・歓声OKな応援上映会への参加は、私のライフワークですが、当日はスキンケアやメイクにも気合が入るし、鑑賞後は肌ツヤが良い気がして美意識の向上にも貢献! 連日のアニメ鑑賞や、イベント時の遠征に向かうなど推し活は体力勝負なので、活動に支障が出ないよう体を気遣い、健康への意識も高まりました。
4.今まで気付かなかった新たな自分を知る
アニメの存在がなければ、ひとりで国内外を巡るようなことは考えられませんでした。「交響詩篇エウレカセブン」という作中に出てくる、「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」という台詞は心に響いた台詞のひとつ。アニメは自分自身の可能性を広げ、新しい人生を歩み出す後押しをしてくれます。
5.立ち止まる暇もないほど人生が潤う
アニメを好きになる前の人生が思い出せないほど毎日充実しています。アニメ鑑賞やイベントへの参加など好きなものを追っている時間はどれだけあっても足りないくらいですし、その時間のために生きていると言っても過言ではありません。目をキラキラさせてアニメを語る仲間の姿からもパワーチャージ!
小新井涼イチオシ!大人の女性におすすめの6作品
近年キャラクターやストーリーが多様化し、普段はあまりアニメを観ないという人も思わず魅了されてしまう作品が目白押し。そのなかでも、大人女性の日常を彩る3テーマ×6作品を小新井さんがナビゲート。
1. 仕事を頑張るあなたに…
鑑賞後の爽快感がすごい!「アグレッシブ烈子」
上司や同僚、世の中への鬱憤を、デスメタルを歌うことで晴らすOL“烈子”の日常を描いた作品。ギャグ要素を織り交ぜながら、烈子が行き場のない自分の気持ちを代弁してくれるようで、日々のモヤモヤが吹き飛びます!
主人公の闊達な生き様に憧れる「波よ聞いてくれ」
北海道札幌市を舞台に、主人公の女性がひょんなことからラジオパーソナリティとしてデビュー。恋に仕事に励む従来のヒロイン像とは異なり、酒癖が悪く、行き当たりばったりだけどたくましく生きる姿がカッコいいです。
2. ときめきたいあなたに…
繊細な描写が心揺さぶる「ちはやふる」
競技かるたを題材に高校生の成長を描き、実写映画化もされた人気作品。少女漫画特有のふわっとした線やキラキラ感が見事に表現されています。甘酸っぱい恋模様にときめき、手に汗握る試合シーンで熱くなれる名作です。
イケメンたちの競演「KING OF PRISM」シリーズ
歌やダンス、ジャンプなどのパフォーマンスでどれだけ観客を魅了できるかを競う『プリズムショー』にしのぎを削るイケメンたちが登場します。劇場版の応援上映会が行われるなど参加型のアニメ。ハマりすぎには注意!
3. 新しい扉を開きたいあなたに…
戦闘以外のシーンも充実「機動戦士ガンダム 水星の魔女」
ガンダムシリーズ最新作はTVシリーズ初の女性主人公。学校が舞台という斬新な設定で、学園ものらしいラブコメ的な要素もあるので、シリーズが初めての人も楽しめると思います。不朽の名作を今こそ観るチャンスです。
古典名作の新たな一面を見る「平家物語」
誰もが知る大古典をTVアニメ化。学校では習わなかった新たな側面を知ることができます。見どころはキャラクター描写。当時の容姿や、人物の心情の変化が丹念に描かれ、アニメーション表現の豊かさを感じられます。
小新井涼(こあらいりょう)
アニメコラムニスト。北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。学術的な観点からアニメを考察・研究し、コラム連載の執筆や番組制作に携わる。カワドンエンタテインメント所属。