こんばんは。アートテラーのとに~です。
私事で恐縮ですが、先日2月1日に、3作目となる著書『東京のレトロ美術館』が発売となりました! 東京にあるレトロな美術館33館の魅力とマニアックな見どころを紹介した渾身の一冊。僕としては“美術館ガイドブック”のつもりなのですが、撮影を担当した写真家の青山裕企さんいわく「これって完全にとに~さんの写真集だよね・・・?」とのこと。著者である僕も、なかなかヘンテコな本だと思っております(笑)。良かったら、ぜひ一度お手に取ってみてくださいませ!
・・・と告知はこれくらいにしまして、本日はめずらしくグルメの情報を。
喫茶室ルノアールを筆頭に、ピカソやシャガール、ダ・ヴィンチなど、街を歩いていると美術界の巨匠たちと同じ名前のお店に出くわすことがあります。アートテラーを名乗っている僕としては、見逃すことができません!
そこで今回は、これまで50軒近く訪れた芸術家の名前が付いたお店の中から、GINGERwebの読者の皆様におすすめしたい3軒をご紹介! どのお店も、アートにまったく興味がない人でも楽しめるお店ですよ。
立川のクリムト
JR立川駅北口から徒歩1分。伊勢丹立川店の2階にあるのが「キャフェクリムト」(“カフェ”ではなく“キャフェ”です)。店内には、もちろんクリムトの複製画が飾ってあるのですが・・・なぜかレジカウンターの上に密集した状態になっています(笑)。
おすすめはパティシエ特製のフォカッチャのホットサンドランチ。ホットサンドに、ドリンクとフィナンシェかサラダを付けることができて¥680(税込)。実にお得なメニューです。
ほっかほかサックサクのフォカッチャはもちろんのこと、フィナンシェも絶品! このフィナンシェは、すぐ近くに位置するキャフェクリムトの系列のフランス菓子店エミリーフローゲの看板メニューなのだそう。
ちなみにエミリー・フローゲは、生涯独身だったクリムトの数多くの愛人のなかでもっとも著名な人物。姉妹店ならぬ愛人店?!
キャフェ・クリムト
住所:東京都立川市曙町2-5-1 伊勢丹立川店 2F
定休日:無休(元旦休)
営業時間:7:30~21:00(平日)、9:00~21:00(土日祝)
祇園のフランソワ・ミレー
京都・祇園四条駅近くの風情ある街並みにたたずむ「フランソア喫茶室」。《種まく人》や《落穂拾い》で知られるフランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーに由来しているそうです。
創業は昭和9年というだけあって、店内の雰囲気はレトロそのもの。あの藤田嗣治や太宰治も通っていたという由緒正しき喫茶店なのだそう。
ちなみに内装はミレーもフランスも全く関係なく、イタリアバロック様式。和と洋を組み合わせた内装は、当時としてはかなり革新的だったそうで、2003年には喫茶店として初めて国の有形文化財に登録されています。
個人的におすすめのメニューは、ふわふわで甘めのオムレツとレタスがサンドされたエッグサンドイッチ。パンの片面にはマヨネーズ、もう片面にはトマトケチャップが塗られていて、どこか懐かしい味がします。
フランソア喫茶室
住所:京都府京都市下京区 西木屋町通四条下ル船頭町184
定休日:12月31日、元旦、1月2日、夏季(2日間)
営業時間:10:00~23:00
銀座のゴヤ
銀座6丁目の裏路地にある「バー ゴヤ」。《裸のマハ》や《我が子を食らうサトゥルヌス》などの代表作があるスペイン最大の巨匠フランシスコ・デ・ゴヤの名前が付いた隠れ家系バーです。
こちらのオーナーバーテンダーが、かつてシェリー・カクテル・コンペティションで優勝した際、そのお祝いとして馴染みの古書店の方がプレゼントしてくれたのがゴヤの版画集『闘牛技(La Tauromaquia)』だったそう(もちろん本物!)。
1~33、A~Gの全40図があり、お店では、その日に合わせて、版画をかけ替えていなるそうです。
甘口から辛口まで好みに合わせて作ってくれる、シェリー酒ベースのカクテルはどれも絶品。
なかでもイチ推しなのは、高知県産のフレッシュな生姜がアクセントとして加えられた生姜のモスコミュール。ピリッとした刺激が心地よい、高知県出身のオーナーバーテンダーさんこだわりの一杯を、ゴヤの版画を眺めながら味わってみてはいかがでしょうか?
バー ゴヤ
住所:東京都中央区銀座6丁目4-16 花椿ビル2階B2号
定休日:日曜・祝日
営業時間:16:00〜24:00
皆さまからの質問大募集!
「デートにピッタリの美術館は?」「カフェがオススメの美術館って?」という具体的な質問から、「現代アートって、何が面白いの?」「何であんなに美術品って高いの?」「ピカソってすごいの?」という誰にも聞けなかった質問まで。
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