アフターコロナ、世の中はどうなる? by ジョバンナ洋子

日常に潜むお悩みを、心軽やかに解決するコラム「ま、一杯飲んでベッラ ヴィータよ」。舞台は南麻布の架空のバー「Bar D’Amore(バール ディアモーレ)」。ジョバンナ洋子ママの鋭くも優しいお叱りトークは健在。第25夜は自粛ライフのなか、思いもかけない展開に。さて、今宵はどんなやりとりが繰り広げられることやら。

【第二十五夜】#stayhomeでの新交流術


ボンジョルノ。ん? ボナセ〜ラかしら? もうね、ず〜〜っと家にいるから、時間も、曜日も、なんだか、わかんなくなってきたわね。とうとう、私のところのバーも“密”を避けて⋯⋯、っていうか、そもそも混んでないから“密”でもなかったんだけど、臨時休業よ。

まあ、とはいえ、原稿を書いたり、画像データを借りてページを作ったり、本業のほうをじ〜っくりやっているから、気づくとそれなりに仕事してて、時間は経ってるんだけど。

昭和の時代に比べたら、最近は仕事だって、通常時もほとんど電話で話すことは減って、メールのやりとりがほとんどだけど、あえてしないのと、できないのは、意味が違うわね。そんなこんなで、さすがに、そろそろ気も滅入ってきたし、巷で話題のZOOM飲みとやらをやってみることにしたのよ。ヴァーチャルお叱りバーね。

ZOOMアプリ、この間、初めてミーティングで使わなくちゃいけなくて、ダウンロードから始めたの。基本がアナログだから、セットするのもひと苦労だったわ。    

しかも気の張る相手とのやりとりで、部屋の雰囲気もあんまり知られたくなくて角度を決めるのも大変。そのための折りたたみ式の小机なんかも、売れてて品切れだそうよ。

ZOOM飲みをやってみた!

今晩誘ったのは、NYに留学中の後輩子羊のAKEMI(以下A)、ポルトガル・リスボンにファドを歌うために移住した同級生艶女のTOMOMI(以下T)、それから日本語のほうが得意なんじゃないかって思うイタリア人のMARCO(以下M)。国際色豊かでしょ。今日は気心知れた仲間とだから、リラックスできるわ〜。さ、始めるわよ。

みんな元気にしてた〜〜?

A「あ、ジョバンナ姐さん、おつかれさまでぇ〜す」

AKEMIが飲んでるの、ブルックリンのビールかしら? クラフトビールの先駆けよね。

A「さすが、ママはお酒好きですね。あ!マルコ〜〜♡ そんなお茶目な〜〜(笑)」    

M「元気? わんわんわん(笑)。こういうときは笑いが大事でしょ。ママ、今日はヴィーノビアンコだね?」

緑が増えてきたら、やっぱり白ワイン飲みたくなるのよ。今日はマルケ州のガロフォリ。いつもの年より寒くない? だからじっくり飲める少し樽香が効いているものを選んだの。やだ、ちょっと、TOMOMI〜、何? どこにいるの??    

T「ハハハ。ウチのなかがひどくって映せられないから、バーチャル背景を使ってみたのよ」

A「ネット上でめちゃくちゃ、いろんな画像が探せますよね。TOMOMIさんらしい、こっくり感のあるチョイス、最高です!リスボンはどうなんです?」

T「まあ、同じよ。今、レストランはテイクアウトのみ。今年は6月の恒例のイワシ祭りも中止。ファドを歌うのも家でだけ」

マルコ、イタリアはどうなの? 経済活動再開するとか聞くけれど。

M「僕が住んでるのは日本で言えば鳥取的な、アドリア海の南のモリーゼ州ってところだから、それほどの被害ではないんだけど⋯⋯イタリア国内ではもう2万人もの人が亡くなっているんだ」

A 「NY市内でも4人に1人が感染した計算になるっていう報告も出ているの。5月中はずっと自粛かもしれない」

日本でも、あの志村けんさんや岡江久美子さんが亡くなったことは、本当にショックだったわね。
    

食でつながる世界

ところで、みんな何食べてるの? SNSもおうちごはんで溢れてるじゃない?    

T「バカリャウっていう干しダラのコロッケとか、冷凍できるものを作ったりしてる。だから、ちょっと揚げ物を食べすぎてるわ〜」    

A「NYでは、ピックアップに行けば1日3食が配給されてるの。サンドウィッチと牛乳とか最低限のものだけど、外国人である私たちも」    

M「僕はいろんなシェフのレシピで作ってるよ。グッチ オステリア ダ マッシモ・ボットゥーラの総料理長カリメ・ロベスが、YOUTUBEのGUCCIチャンネルで配信しているレシピもおすすめだよ。ハチャプリっていうジョージアのチーズ入りのパンが美味しかったね。日本語の字幕もついてるから見てみるといいよ。ママは何作ってるんだい?」


私は料理は趣味みたいなものだから。新じゃがのアンチョビ炒めは簡単で白ワインにぴったり。レンチンした小さな新じゃがを、アンチョビとにんにく、オリーブオイルで炒めただけよ。あと、ちょっと凝ったものでは、ほうれん草とリコッタチーズを包んだ鶏肉のポルベットーネかしら。    

M「すごいね、ポルベットーネってイタリア版ミートローフだよ。僕、大好物さ」

また会える時がきたら、みんなに作ってあげるわよ。あら、なんかメールがきたわ。エエッ(驚)

A「ママ、どうしました?」    

う、うん。確かに儲かってはいなかったんだけど⋯⋯、オーナーがやっぱり一旦、Bar D’Amore(バール ディアモーレ)の店を閉めることを決めたって。    

T「なるほど。残念だけど、仕方ないわよ。あの場所じゃ、家賃もそれなりだろうし。ファドを歌うために日本を出た私みたいに、好きなことやるために飛び出すのもあるんじゃない

M「ママ、いっそイタリアに来てもいいんだよ」    

A「NYも嫌いじゃないはず。お待ちしてま〜す!」    

ううっ〜〜(涙)。ありがとう、みんな。本当にこのコロナで人生が変わるわね。  

私たちが目指すべき新時代 


まさかの店じまいよ。ここ2年くらいいろんな子羊の悩みを聞くなかで、価値観の移り変わりを感じてきたけれど、いよいよ新時代がやってくるわね。今回のことで、世代、性差、環境、名誉とかも関係ない、図らずものダイバーシティ化だし、グレタさんが叫ばなくても、Co2は削減され、自ずと空気はきれいになって、サステナビリティが実践されているんだから。   

この#stayhomeの時間のなかで、何も考えず、何も感じず、いる人なんて、既得権益にしがみつく旧態然とした政治家くらいよ。不潔感があってつけたくない例のマスクだけど、自らつけてらしたマスクから、ほつれた糸が一本ぶらさがったまま国会答弁されてたわ。いろんな意味でリーダーシップに問題ありね。これからは政治にも無関心でいられないわね。

さ、アフターコロナに備えて、自分のアイデアで社会に何を貢献できるか、考えましょ。私も来月から、新たなさすらいの旅に出かけるわ。皆さん、今度はどこかの街角でお会いしましょ。いったん、アリベデルチね。

【今宵の一杯】    
 ガロフォリ セッラ フィオレーゼ ヴェルディッキオ リゼルヴァ

今回ご紹介する一本は、海と山に恵まれたアドリア海に面したマルケ州の白ワインです。1871年からワイン造りと販売を始めた老舗、ガロフォリ家は、現在四代目のカルロとジャンフランコ兄弟が継承。

この土地の土着品種であり、イタリアを代表するぶどう品種、ヴェルデッキオを100%使用し、余計なものや無理な力を加えることなく最大限にその力を引き出し、素晴らしいワインを作り続けています。    

ゴールド味を帯びた輝きのある黄色で、熟した果実やフレッシュな花の香りと樽のバニラ香が混ざったしっかりとしたストラクチャーが特徴。複雑で繊細な香りが特徴です。

●Garofoli – Serra Fiorese Verdicchio dei Castelli di Jesi DOCG Classico Riserva 
マルケ州
ヴェルデッキオ100% 
750ml ¥3,200(参考小売価格)

お問い合わせ先
フードライナー
TEL:078・858・2043

文/ジョバンナ洋子
イラスト/ユリコフ・カワヒロ

ジョバンナ洋子
ナビゲーター
ジョバンナ洋子
移ろいゆく世の中を見守る、元お叱りバー(架空)のママ。本業はファッションエディター。 GINGER Webでの連載も3年目に突入しリニューアル。各地で遭遇する日常の事件をきっかけに感じる新しい価値観を、ユニークに伝えていく。
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