劇作家・演出家 岸本鮎佳さんがサウナへの愛を語り尽くす連載「サウナヴィッチ」。あなたもサウナの魅力を知って、ぜひ愛好者の仲間入りを!
vol.17 サウナヴィッチを唸らせる、上野の極上ホテルサウナ
今、サウナ好きは銭湯やスーパー銭湯、サウナ専門の温浴施設だけではなく、“ホテルのサウナ”にも注目しています。
先日、上野の「サウナリゾートオリエンタル センチュリオンホテル&スパ」にお邪魔しました。
上野駅からすぐの場所にあるこのホテルのサウナが、まぁ、すごかった!
こちらはビジネスホテルで、大浴場&サウナは宿泊者以外でも利用できます。カプセルホテルにサウナが併設されているのは昔からあるスタイルだけど、ビジネスホテルがサウナに力を入れているというのは非常に珍しいと思います。
フロントでサウナだけの利用だと言うことを伝え、利用料金を支払い、いざ大浴場へ。ちなみに料金は90分¥1,000と激安。そしてアメニティがすべて完璧に揃っているので、手ぶらでも安心して利用できます。
平日の夕方、驚いたことにめちゃくちゃ空いてる!!!
確かに上野周辺はサウナ激戦区なので、いい銭湯が沢山あるし、地元に住んでる人はわざわざビジネスホテルのサウナには来ないのかもしれない…
という私の勝手な分析なのだが、空いてるに越したことはありません。
最近はどこのサウナに行っても混んでいて、ひどいときは「サウナ待ち」になることもあるのです。私は本当にせっかちな性格なので、待つことも苦手で、人混みも苦手なので、“混んでいるいいサウナ”より、“普通だけど空いているサウナ”を選ぶタイプ。
さて、サウナの具合はどんなものだろう…
入り口には、こんな看板が掲げてあった。
高温100度サウナ!?
サウナ好きの女性ならこの言葉に食いつくはず。なぜなら、女性用のサウナは男性用のサウナに比べて、若干温度が低く設定されている。これはどこのサウナも同じで、仕方ないことなのだけど、サウナの魅力を知ってしまった今、私はできるだけ高温のサウナを求めてしまう。
女性用のサウナで100度はかなり高い。これは、期待できる。
浴室は、とにかくきれいで、銭湯ではありません。ちゃんとホテルの浴室、という感じの美しさなので安心して入ることができます。
サウナ室の中に入ると、ちょうどいい湿気と、心地良い熱気。心地よい熱気というのは、むせるほどの息苦しさがなく、体の内側から徐々に体温が上がっていくのが感じられること。これが、一番ととのいやすいサウナの状態だと知っている私は、入った瞬間に「これは間違いなくいいサウナだ」と確信した。
高温のため、やはりいつもより早く「ああ! もう、限界! 水風呂に入りたい!」と感じるが、その状態から30秒我慢。
これが私的には意外と大事だったりする。
もうだめだと思ってから30秒、心の中で数える。
水風呂天国へのカウントダウン。
滝のように流れる汗を勲章に、サウナ室を出て、シャワーで汗を流し、待ちに待った水風呂へ。
つっっ!!!!
つめたっ!!!
キンキンの水風呂の温度は、なんと12度!!!
3度見した。
12度の水風呂も滅多にないから。
そして、この水風呂をさらにキンキンにしたい人のために秘密のボタンがある。そのボタンを押すと、ゴー!!!とバイブラジェットが発動し、羽衣を剥がす。
ひぃいいいい!と思わず声が出てしまうほどの強烈な水風呂の洗礼を受け、浴室内にあるととのい椅子へ…
……え…何…
これは…やばい……
どんだけ、ととのわせてくれるの。
快感…
という最高のクライマックスを迎えました。
いや、すごい…ホテルのサウナだと思って甘く見ないほうがいい…誰がこんなに攻めたサウナをビジネスホテルに作ったのか…
作ってくれた人、ありがとう。
世界中の皆さん、ありがとう。
すべてにありがとうを伝えたくなるほどの気持ちよさで、もうほかに言うことはありません。
このサウナ、行くなら今です。
ここは、サウナヴィッチになった女性は絶対に行くべきサウナ。
最後に言わせてください。
センチュリオンホテル&スパさん、こんな極上のサウナを作ってくれて、ありがとうございます。
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