ファッションウェブマガジン「LIV,」の主宰であり、フリーエディターの乙部アンさんが語る、人生の本質を知り、満たされる毎日を過ごすためのヒントになる連載「オンナの生き方・磨き方」。最終回となる今回は、悩み多き女性たちに伝えたい、一度きりの人生を楽しむためのマインドセット。
1. “やらなきゃいけないこと”より“やりたいこと”を増やす
いつの間にかやりたいことを先送りにして、やらなきゃいけないことに追われた生活をしていませんか?
毎日やらなきゃいけないこと=やりたくないことばかりしていては、裏切られ続けたあなたの本心は、いつの間にか自由に本音を話してくれなくなります。人生で歩むべき方向性は、あなたの本音が示してくれます。その本音に従い、そして行動することこそが、幸せな毎日を送るための基本中の基本なのです。
2. 苦手なことを頑張るより、得意なことをのばす
まるで子供の教育に言われるようなことですが、これは私たち大人にも同じことが言えます。できないことはある程度頑張っても無理なら、得意な人に任せましょう。たとえば文句をいいながらあなたが仕事をしていたとします。けれど、あなたがしょうがなく居続けているかもしれないそのポジションも、ほかにやりたい人はたくさんいるかもしれないのです。
自分の才能を見つけ、磨き、育てる。「私に才能なんかない」という言い訳は今すぐやめて、まずは自分の得意なことを紙に書き出しましょう。あなたが才能を発揮することで、人生が本当の意味で輝きだすだけでなく、多くの人を喜ばせる社会貢献にもなるのです。
3. 悪口は無視していい!
「そんなこと言われても、気になっちゃう!」という人がほとんどでしょうが、だれかの悪口を言うような人の価値観を信じる必要がありますか? あなたのことを何も知らず、勝手なことをいう人の言動なんて、華麗にスルーしてしまいましょう。気にしている間中、大事な時間を削がれていると考えたら…不毛すぎますよね。
ただし、無視するのはあくまで“悪口を言われた”という事実。その人自体を無視したり否定したりしては、センスのない人たちと同じレベルになってしまいます。あなたは常にエレガントな姿勢を崩さないこと。
4. 粗末にされる人や環境から離れる
急に機嫌が悪くなって黙り込むパートナー、約束を守らない友達、いやみを言ってくる先輩…。もしあなたを粗末にする人が近くにいたら、そっと距離を置きましょう。あなたがどんなに自称「デキない人」でも、粗末に扱われていいことは絶対にありません。
あなたには、あなた自身が気づいていなくても応援してくれている人がたくさんいます。失礼な対応をしてくる人にまで取り入ろうとする必要はありません。土足で心を踏みにじってくる人にはきっぱりNOを。自分で自分を蔑むのも、今日で終わりにしましょう。
5. ネガティブな出来事=悪いことという思い込みを捨てる
同僚に挨拶を無視されたり、仕事でおかしな言いがかりをつけられたり。日常において、ときには嫌なことは起こるし、この先もきっと避けられません。けれど、ネガティブな出来事を悪いことと考えていると、いつまでも不安定なスパイラルから抜けられません。なぜならその考え方は起こる出来事によって気持ちを左右されてしまうものだから。いいことが起こったら舞い上がって、嫌なことが起こったら落ち込む、というのを繰り返していては、自分自身に振り回されてしまいます。
大切なのは安定したニュートラルな心。失敗と思うような出来事ですら、貴重な成長の種です。日常で起こる嫌な出来事に至っては、“本当はあなたがなにをしたいか”を明確にするための起爆剤でしかありません。
6. “感謝されないとムカつく”ことをしない
「○○してあげたのにお礼の一つもなかった」と思うようなことは、相手のためであるようで実は、誰のためでもありません。自分の承認欲求を満たしたり、罪悪感を慰めるために他人を使っておせっかいをするのはオススメできません。
すべての行動は“自分が能動的にしたいことか”を基準に。だれからもありがとうを言われなくたって、自分がしたくてやったことであれば、常に心は満たされます。自分の機嫌を他人に取らせるのはあまりにも酷なことなのです。
7. 人を貶める言動をやめる
誰かの陰口をいったり、嫌なウワサを立てたり。大人数が集まればそんなことが起きることがあります。けれど、あなた自身が当事者にならないことはもちろん、そんな場所からはスッと離れるテクニックを磨いておきましょう。
陰口は目に見えないし、もしかしたらウワサ好きな人が近くにいるかもしれませんが、それらは毒のように回っていつしか自尊心を蝕むもの。自信のない人がすることです。他人が落ちていったからといって、自分のランクが上がるわけではありません。
8. 時間をお金に換算する働き方を変える
時間をかければかけるだけお金がもらえる仕事や、残業や休日を返上して、時間をかけさえすれば出来上がるという働き方はもうやめましょう。続けていると自分が苦しくなるだけです。
時間は命そのもの。命を削ってそれをお金に換えるというこれまでのやり方では、いつかすべての情熱が失われ燃え尽きてしまうだけ。「本当にやりたいことがない」「食べたいものがとくにない」「ときめけない」「自分にかまう時間がない」のは深刻な予兆です。
9. 今必要じゃないものと別れる
たとえばクローゼットの中身。むかしは本当に好きで気に入っていたブラウスも、経験や年齢を重ねるうちに合わなくなるものはあります。そういうものをいつまでも手元においていると、本当に活躍すべきものにまで気が回らなくなります。たとえるならば“最初は本当に大好きで一緒にいたかったけど、今では他人”の元カレのような存在なのです。元カレに気を使って今でもしょうがなくデートをして、その間は今カレを放っておいている…状態では、本末転倒です。
人もモノも、以前は素晴らしくマッチしている関係でも、今違和感があるのなら別れを決めるべきときなのかもしれません。有形無形ともに、必要以上の持ち物は重過ぎると本当に大事なときに本気が出せず、チャンスを逃すことにもなるのです。
10. 他人と自分を比べない
比べちゃいけないと分かっていても、つい比べてしまう人はいると思います。けれど私たちは一人ひとりがみんな違っていて、切り口を変えれば全員がマイノリティー。姿かたちが似ているように見えるだけで、実は服と家電ぐらい比べようのないもの。どちらが素晴らしいかなんて、そもそも比較するような対象ではないのです。
それを分かっていれば、だれかと比べようという気持ちは薄れてきませんか? あなたも、あなたの憧れの人も世界にはたった一人。それぞれが自分の人生を切り開こうと頑張っている、素晴らしい存在です。
11. 美しいものをたくさん見る
人生の最終目的は、お金持ちになることでも、イケメンの恋人をつくることでも、たくさんのフォロワーを持つことでもありません。それらはただのエッセンス。本当の目的は、どれだけたくさんのことに感動し、驚嘆し、共感し、喜び、そして悲しめるか…そう、“どれだけ心を奮わせられるか”ではないでしょうか。
心の豊かさは、日々の豊かさに直結しています。自分にたくさんの経験をさせ、より多く美しいものを見せられるかは、あなた自身の行動力にかかっています。
人生は夢中になること、熱中することを探す旅。いいことも悪いことも、いろいろなことがごちゃまぜの毎日ですが、自分が見たこと、考えたこと、感じたことを大切に、あなただけに見える世界を心から堪能して進んでいきましょう。この連載を読み始めたときよりも、今のあなたはきっといいオンナ度に磨きがかかっているはずだから。
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