脚本家 岸本鮎佳さんがサウナへの愛を語り尽くす連載「サウナヴィッチ」。あなたもサウナの魅力を知って、ぜひ愛好者の仲間入りを!
vol.12 今、狙うべきは絶景サウナ
最近はどこのサウナも緊急事態宣言の影響により、閉まっていて、なかなかサウナに行けない日々が続いております。
でもかといって、どこでもいいから空いてるサウナに!というわけにもいかないのが、サウナヴィッチのプライドです。
ならば、いっそのこと、我慢する!
大好きなサウナを待って、待って、待って、営業再開した暁には、最高のととのい体験をする!というのはどうでしょう?
緊急事態宣言前に、私はついに、出合ってしまいました。
今までで一番、最高の「ととのい」が出来る「絶景サウナ」に。
それはどこにあるのか...
ズバリ! 「富士山の麓」!!
私はこれまでに数え切れないほど、この3年間、あらゆるサウナに入ってきました。
そのなかで、最もととのったサウナ...いや、想像できないととのい体験をさせてくれたのが、
「ホテルマウント富士」の中にある「満天の湯」!!!
東京から車で2時間ほどで行けます。
ここのサウナ、一番のポイントはなんといっても、富士山がすぐ目の前!ということ。
これくらい近いです。
この絶景。
これは、ホテルの部屋から撮った写真なのですが、実際見ると写真で見るよりもはるかに大きくて、びっくりします。
周りには遮る建物などは何もなく、何より、空気が美味しい。
久しぶりにマスクを外して、深呼吸。
そんな富士山を間近で拝みつつ、外気浴ができる、というめちゃっくちゃ贅沢なサウナなのです。
ホテルの中にあるのですが、もちろん日帰りの立ち寄り風呂もオッケーで、バス・フェイスタオル付きで、¥2,200で入れます。
まず入ってびっくりしたのが、
空いてる!!!
平日だということもあると思いますが、私が行ったときはマックス3人しかいなかったのですから。
2020年2月23日にフルリニューアルしたサウナは、とにかく、す、ば、ら、し、い!です。
湿度が高いサウナで、なんと30分に一回自動でロウリュウが始まります。
いきなり、パッ!って明かりがついて、ジュー!と、いい香りのアロマ水がサウナストーブに勢いよく落ちてきます。(突然すぎて、初回は戸惑った)
すると、その蒸気が背中を伝い、全身が熱気で包まれ、一気に体感温度が高まるのです。
この瞬間、私はもうサウナから出た後の外気浴で、確実にととのうことを想像し、両手を天高くあげ、すべてを受け止めるべく、脇全開で、蒸気を受け止めました。
「やっと出合えたね...」
聞くところによると、ここのサウナの温度設定は90度で、男女一緒の温度設定だそう。
いやぁ~素晴らしい!
女性サウナは、男性サウナよりも温度低めに設定されてるんでね。
久しぶりにサウナで、どぶどぶに汗をかいた...
いざ、水風呂へ。
って、待って。水風呂、まさかの2種類あるんですけども!?
1つは、こじんまりとした静かな可愛らしい水風呂。
もう1つの「バイブラ&ジェット水風呂 雲海」は、これまた新設された水風呂だそうで、名前のとおり、勢いよくジャグジーが出ている。
どちらも富士山の天然水の水風呂。
ってことは、飲めるんですよ!!!
やだ~もう、最高! ちょうど喉乾いてたんで!
蛇口から出ている水を飲む。
美味すぎる...!!!
キンキンの16度に冷えた水風呂は、どちらも文句なしに、素晴らしく、熱った体をクールダンさせてくれる。
キンキンなのに、入ったとき全然痛くない。
水が柔らかいから。
外気浴はもちろん、デッキチェアで。
横になった瞬間、私は目の前に広がる景色に驚愕したのです。
「でっかい...!」
目の前に触れそうなほど近くに、富士山がドーン!と構えているのです。
幸い私が行った日は雲ひとつない晴天で、きれいに見えました。
思わす、合掌する私...
「こんな素晴らしい景色を見させてくださって、ありがとうございます...感謝」
裸で合掌しながら、トドのように寝転んでいる私を、不思議そうに見つめるオバさま。
ううん、恥ずかしくなんかないぞ。
夢なのか現実なのか、身体がフワフワと天に昇っていくような、気持ちよさを感じながら、完全にととのう私。
いや、私だけじゃない。
このサウナと水風呂と富士山はすごい。
私は東京に帰ってきてからも、あのサウナが忘れられない。
みなさまも是非、自粛期間が開けたら行ってみてください。
裸で合掌...忘れられないサウナ体験になりますので。
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