ドッグラバーはそれこそ世界中にいて、かけがえのないパートナーとして愛犬と仲睦まじく暮らしています。パリの街にもそんな幸せそうな、飼い主&犬のカップルやファミリーがたくさん。その素敵な関係を、ちょこっと覗き見。
雨の日のマレ地区
シトシトと小雨が降るパリ。ここマレ地区は、それでも人通りが絶えることのない、観光客にも人気のお買い物エリアです。
おっ! おしゃれなグループを発見!
黒、白、茶色に、オレンジがアクセントカラー・・・。持ってるショッパーまで計算したかのような、パーフェクト配色! タダモノじゃない感が半端ない!
それ、なあに??
――これは、カメラなん・・・
(ぷい...)
――って、聞いてないし・・・。こっちのキミは・・・
ハアハア...(心ここにあらず?)
――あなた方、キャバリアですよね?
ん? 知ってるんだ! そう、二人ともキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル! はじめまして、ボクの名はデアボロ、10歳だよ!
――おっと、あなたもすぐに気が散るんですね。動いてばかりで、撮りづらっ...。
さっきボール遊び(ボクの趣味)したもんだから、おなか空いちゃったな。うちの1階、パン屋さんなんですよ。硬くなったパンをもらってちょいちょい食べてます。キャバリアは食いしん坊なんですよ、知ってます?
――でも、キミは太っていないから、問題ないですよ。
ワタシは、チャッキー! 9歳! うふふ、大人のいい女です!(←自分で言っちゃった 笑)
そうね、大好きなのはお風呂と、お風呂上りに食べるフルーツ・・・メロンとスイカがいいわね。
――えっと、お二人はカップルなんですか?
そこらへんは、ご想像にお任せするわ。
――出会いは、いつ・・・?
ワタシたちね・・・(いきなりトーンダウン)
2匹ともちょっと悲しい思い出があってね。赤ちゃんのときペットショップにいたんだけど、6ヵ月過ぎても、貰い手がなくてさ・・・。あと少ししたらガス室行きになるところを、ギリギリのタイミングで今の飼い主が助けてくれたんだ。
――飼い主さん、こちらのステキな女性ですね。
そうよ、彼女は画家なの!
――どうりで、素晴らしい色彩感覚!(なっとく)
よくワタシたちの絵を描いているのよ。よっぽどワタシたちのことが好きみたい~。うちらも彼女のことが大好きだけどね!
――今は幸せに暮らしているんですね!
もうね、欲望の赴くままに、好きなことするの。人生、短いじゃない? 人の話なんか、おとなしく聞いてられないわけよ。
き、来たゾ!
――どうかしまし・・・
おーいおーい、おおおおおおおおいっ(ほぼ怒声)
ねえねえねえねえねえねえねえったら!(しつこい)
おらおらおらおらおららぁー(←えー!? チャッキー?)
ヤッタ! 振り向いた♪
人見知りなのね、あの子。
ほんとは、うちらと友達になりたがってるわ。
――そうですかね? 怯えていたような・・・。
たまにバスチーユの運河のほうに散歩に行くけど、コワーイ犬たちが集まる森は苦手。だから、基本、このあたりがいいんです。ね、チャッキー。
そう、だからこのあたりで、友達を探してるのよね。ね、あの子のこと追いかけましょうよ。
おっけ。
――いや~、結構お二人のこと怖がってましたよ。逃げるように行っちゃいましたから・・・
(クンクンクン・・・)
よし、このニオイを追っていこう。
おっけ。
・・・まさに、欲望の赴くまま、だな。心優しき飼い主さんは、2匹をコントロールするのが大変そう。デアボロとチャッキーがいなくなったあとは、嵐が去ったような静けさ・・・。見た目も行動も、やたらと賑やかだったけど、何だかほのぼのとさせてもらいました。・・・仲良きことは美しき哉。
またお会いしましょう!