ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
モードシーンのビッグトレンド「バービーコア」とは?
ヴァレンティノが2022-23年秋冬コレクションでオールピンクのルックを発表したことで、一躍旬の色となったピンク。まるでバービー人形のような全身ピンクのスタイルは「バービーコア」と呼ばれ、モードシーンのビッグトレンドに。さらに、2023年公開予定ながら今から注目を集める、“バービー人形”の実写版映画のビジュアルがお披露目となり、主役を演じるマーゴット・ロビーのあまりにも”バービー“な着こなしがSNSで話題騒然!この秋、ファッショニスタの間で、バービーピンク人気がますます加速中のようです。
「バービーコア」ブームの火付け役はこの3人!
ゼンデイヤ
ハリウッドのイットガールで、ファッションアイコンとしても絶大な人気を誇るゼンデイヤ。クリエイティブディレクター、ピエールパオロ・ピッチョーリが、ピンクの持つ可能性を追求したという「ヴァレンティノ ピンク PP コレクション」のショーでは、スーツもコートもすべてピンクで、フロントロウの注目の的に。Instagramでもクールな着こなしを披露。
キャロライン・ダウアー
7月にローマで行われたヴァレンティノのクチュールショーには、トップクラスのインフルエンサーが大集結。ワンショルダーのフェザーワンピでキュートなキャロラインはじめ、全員バービーライクなヴァレンティノのオールピンクルックで、華やかさ満載。ガールズパワーが弾けていますね。
マーゴット・ロビー
2023年7月に全米公開予定の映画「バービー(原題)」で、主役のバービーを演じるマーゴット・ロビー。2022年7月に解禁となったファーストルックでは、ボーイフレンドのケン役を務めるライアン・ゴスリングとともに、そのなりきりぶりが大きな話題となり、「バービーコア」トレンドを後押し。
バービーピンクのリアルな着こなしをチェック
キャロライン・ブロムスト
ストックホルムを拠点に活躍する、フォトグラファー兼ファッションブロガーのキャロライン。いつもはモノトーンを好む彼女が選んだピンクは、ほどよくきちんと感のあるセットアップ。モードなジャケットときれいめなショートパンツは、パリの人気ブランド、サンドロのもので、ブラックとの配色で、甘さをセーブしながら、鮮やかなピンクをアピールしています。巾着型でかっちりしすぎないシャネルのキルティングレザーバッグで、クラス感をアップ。
カリン・タイグル
オンラインマガジンを手がけるドイツのインフルエンサーで、自身のファッションブランドも持つカリン。派手色コーデを得意とする彼女のお気に入りは、イタリア発ジ・アティコのビッグジャケット。クロップド丈で抜け感の出るワイドパンツはザラのもので、エネルギッシュなオレンジとピンクのカラーミックスがインパクトたっぷりですね。ボッテガ・ヴェネタの「ザ・ポーチ」をはじめ、小物もオレンジで揃えて、明るくパワフルな印象を強調しています。
アデノーラ
日本でもセレクトショップなどで見かける人気ブランド、ミュジェ パリのクリエイティブディレクターで、インフルエンサーとしても有名なアンヌ・ローラ・メイことアデノーラ。パリで42℃を記録した日の彼女のコーデは、バービーピンクのシャツが主役!こちらは英国発4th & Reckless(フォース・アンド・レックレス)のもので、かなり濃いリーバイスのインディゴデニムで引き立てています。足元は白のロジェ・ヴィヴィエのバックストラップパンプスで軽やかにエレガンスをON。
エミリー・シンドレフ
デンマークを代表するファッショニスタで、スタイリストのエミリー。カラー上手で、ピンク率高めな彼女が、南仏リゾート地でのディナーコーデに選んだのは、NY発ケイトのカーディガン。ボリューム袖で存在感のある一枚をゆるめなデニムと合わせて、トップスライクに着こなしています。開いた首元にはボッテガ・ヴェネタのモードなネックレスでひとひねり。メタリックグリーンのクラッチとジミー・チュウのサンダルとのカラーブロックも効いていますね。
秋冬といえばダークカラーのイメージがありましたが、コロナ禍以降、世の中は“色”を求めていて、ここ数年、ビビッドカラーが人気になる傾向なんだとか。中でもピンクは女性らしさの象徴ともいわれる色で、華やかで、センシュアルで、パワフル!特にホットピンクは、バービー人形のイメージがあるように、遊び心もあって、見ていてハッピーになれる色。この秋冬は「バービーコア」ブームにのって、ピンクの力を味方につけたコーデを楽しみたいですね。
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