ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
ボーダーは年中無休の定番ですが、マリンテイストを感じさせる柄だからか、特に夏が似合いますよね。さらに今シーズンはシャネル、プラダなど、名だたるハイブランドもこぞってボーダー推し! デザインもカラーバリエーションも豊富なこともあって、暑くなるにつれて、海外ファッショニスタの間でボーダー率がどんどん上昇。春まではインナー使いや肩かけなど、“差し柄”にする着こなしが目立っていましたが、夏本番に突入してからは、ボーダートップスがおしゃれ有名人たちのコーデの主役を張っているようです。
マルタ・カリエド
スペイン出身のビジネスウーマンで、ファッションやジュエリーのブランドを手がけるマルタ。セレブに大人気のセリーヌのスポーツブラをトップスとして活用して、モノトーンボーダーとロゴをきれいめなホワイトパンツでヘルシーにアピール。エレガンスの鉄板、エルメスの「バーキン」で品格を添えて、都会的にコーディネートしています。足元はボッテガ・ヴェネタのヌーディなサンダルで、センシュアルさをのぞかせて、大人のボーダースタイルに。
アデノーラ
パリとボルドーを拠点とするフレンチガール、アデノーラは、クロップド丈かつアメリカンスリーブで抜け感を出す、ディオールのミニマルなボーダートップスをチョイス。赤いラインが濃いインディゴデニムに映える王道のフレンチマリンスタイルに、「ディオールオブリーク」のサドルバッグのロゴが“差し柄”として、効いていますね。彼女がクリエイティブディレクターを務めるブランドのクールなトングサンダルで、シンプルな着こなしにさりげなくスパイス投入。
ヤセミン・エギュン
トルコでは雑誌のカバーガールにも抜てきされる人気インフルエンサー、ヤセミン。今季、モード界で話題のサマーカプセルコレクション「ディオールリビエラ」のコットンニットにデニムショーツを合わせた、リュクスなカジュアルを披露。ブランドロゴの上のひとつ星がポップなオーラを放つ赤ボーダーニットには、「レディディオール」のかごバッグでブルーを合わせて、フレンチマリンを意識。カラーリンクしたぺたんこサンダルもバカンスムードを後押ししています。
ヌール・ビレン・ヤヴゼール
ファッションブランドとエステクリニックを手がけるトルコ出身ライフスタイルインフルエンサー、ヌール。「ディオールリビエラ」のコットンニットはネイビーブルーを選んで、カラーリンクしたミニサイズのキュートな「レディディオール」のかごバッグとともに、さわやか仕上げ。クリーンなホワイトで、エフォートレスな雰囲気たっぷりのワイドパンツの足元には、スポーティなコンフォートサンダルを合わせて、こなれ感漂う“白”度高めのリゾートスタイルに。
この日は、ヴィヴィッドなグリーンとピッチ太めなボーダーでインパクトのあるトップスをデイリーコーデの主役にしたヌール 。胸元のトライアングルロゴが象徴する通り、こちらはプラダのもので、ルーズなシルエットのブラックパンツでゆったりと、辛口モードなリラックスコーデにまとめています。バレエのトウシューズのようなストラップデザインがユニークなBettina Vermillonのビーチサンダルで、遊び心をON。
エルザ・ホスク
今年のカンヌ国際映画祭では、日本でも話題の映画『エルヴィス』のレッドカーペットで豪華絢爛なヴァレンティノのホットピンクドレスを纏って、注目を集めたエルザ。地中海屈指のリゾート地を楽しむオフスタイルは、スーパーモデルお得意のベーシックなデニムスタイル。定番ブルーのストレートデニムをベルトで引き締めつつ、シャネルのロゴマークが存在感を発揮するモノトーンボーダーのニット1枚で、レトロシックなフレンチカジュアルにアップグレード。
今シーズンは全面に柄が入った「オールボーダー」だけでなく、上下に白い無地のある「パネル(ナバル)ボーダー」も多く、ますますチョイスが増えたボーダートップス。定番色と派手色でテイストを使い分けられるのはもちろん、ピッチの幅で印象が変わるのも、おしゃれ心が刺激されるポイントなのかもしれませんね。カジュアルなイメージの強い柄ですが、あのココ・シャネルも愛用していたことでも知られるように、モードとの相性は抜群みたいです!
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