ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
トレンドにかかわらず、夏のワードローブに欠かせない色といえば、見た目にも、気分的にも涼やかなホワイト。清潔感あふれる、大人の夏スタイルの鉄板カラーですよね。“白”度が高いほど、スタイリッシュで洗練されて見えることから、今年も海外のファッショニスタの間ではオールホワイトが大人気。ただ本当に全部をホワイトにすると締まらないということで、隠し味に小物で色をプラスするのがお約束。どんな色とも相性抜群という白の魅力を味方につけて、小物使いで“色”を効かせる着こなしを楽しんでいるようです。
ロージー・ハンティントン=ホワイトリー
“おうちでファッションショー”投稿がすっかり定番化しているスーパーモデル、ロージー。基本ワントーンを好む彼女は、ホワイトにベージュ〜ブラウンを合わせる上品な配色がお気に入り。ストックホルム拠点のサステナブルブランド、トーテムのリネンスラックスには、同じくトーテムのロングシャツを合わせて、エルメスの「ケリー」ベルトでウエストマーク。サンダルもキャメルカラーでリンクして、カジュアルな中にもエレガンスを漂わせています。クラッチ持ちしたビッグトートはザ・ロウのもの。
ジュリア・ランディン
ホワイトのワントーンコーデに王道の黒小物を効かせたのは、ロンドン在住のファッションインフルエンサー、ジュリア。ソフトな質感がフェミニンなクリーム色ワイドパンツは英国ブランド、カレン・ミレンのもの。ラフに着た白シャツがこなれ感をアップしていますね。足元は今季ファッショニスタの間で大ブームとなっているエルメスの「オラン」で、シックにリラックス感をアピール。サンローランのロゴがアクセントになるシンプルなバッグを選んで、リュクスな夏のエフォートレススタイルが完成。
アレッサンドラ・アンブロジオ
ハンサムモードなワントーンコーデの差し色に、最旬グリーンを抜てきしたのは、元ヴィクシーエンジェルのアレッサンドラ。とびきり映えるバッグは、フェンディの名品「ピーカブー」。トップスはトレンドのジレをレイヤードして、淡いベージュをプラスすることで、着こなしに奥行きを出しています。ポーランド発マグダ・ブトリムのクリーム色テーパードパンツとカラーリンクした、ボッテガ・ヴェネタのラバーサンダルとマーク・ジェイコブスのキャットアイサングラスが遊び心たっぷりですね。
エミリー・シンドレフ
コペンハーゲンのスタイルアイコン、エミリーはきれいめなホワイトコットンワンピに、派手色をプラスしてバカンス気分をアップ。バルーンスリーブ、フレアシルエット、ギャザーのフロントとスウィートな要素満載なアイレットレースワンピは、北欧のファッショントレンドをリードするガニーのもの。フェンディの「バゲット」バッグはゴールドで、リッチな輝きを添えています、ネオンイエローのストラップサンダルとママのメキシコ土産というショッピングトートがハズしとして効いていますね。
ブランカ・ミロ
アイレットレースのホワイトワンピでプールへ出かけた、バルセロナ在住のファッショニスタ、ブランカ。繊細なカットアウト刺しゅうと旬なベルスリーブにボーホームード漂う1着はシーニューヨークのもの。自身が手がけるラ・ヴェストのタオルバッグでスポーティに、グッチが手がけるコンセプトストア、ヴォールトのキルティングバッグでほっこりと、ひとくせあるバッグをW持ちして、ひねりを加えています。足元にはシャネルのピンクフラットシューズを合わせて、さらりと甘い差し色に。
爽やかで、クリーンで、ヘルシーな白の持ち味はそのままに、定番色のバッグでシックな雰囲気を添えたり、派手色のサンダルで遊びを加えたり、小物で“味変”できるのがホワイトコーデの魅力。夏に活躍するホワイトの中でも、特に人気のワンピースとワイドパンツはかぶりやすいアイテムだけに、小物で何色をプラスするかは、おしゃれの腕の見せ所なのかもしれませんね!
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