連載「青木貴子のラグジュアリー案内」。スタイリストの青木貴子さんが、注目の新作を独自の視点で解説します。
シャネル「コメット コレクション」に新作が登場
誰もが知る羨望のブランド、シャネル。服のみならず、バッグ、靴、ジュエリー、ウォッチ、香水、化粧品…マドモアゼル・シャネルのモダンで革新的なエスプリは、今も多くのアイテムで表現されています。窮屈で動きにくいコルセットから女性を解放、今では当たり前のように皆さんが着ているパンツルック、ショルダーバッグ(シャネルによって1929年発表されましたが、それ以前はクラッチかハンドバッグが主流だったのです!)、黒いドレス(以前は黒は喪服の色、と捉えられていました)も彼女がすべて考案したものです。そう考えるとシャネルの功績ってすごい! 女性の装いをまるで新しく塗り替えてしまったのですから。
そんなマドモアゼル・シャネルが生涯、最初で唯一発表したハイジュリーコレクションが1932年の「Bijoux de Diamants(ダイヤモンド・ジュエリー)」。発表当時に主流だったジュエリーとは一線を画す、スタイルを際立たせるアイテムとしての提案や、その斬新なデザインは注目と賞賛を集め、ジュエリーの世界にもセンセーショナルな変化をもたらしました。
夜空に煌めく星たちや、ふわりと浮かぶ月、大空に輝く太陽などがインスピレーションソース。特に星についてマドモアゼルは「これ以上に永遠でモダン、シックな形はない」と語っており、コメット(彗星)はメインテーマとして取り上げられられたモチーフでした。
その発表より90年という節目の今年、「コメット コレクション」に新作が登場。マドモアゼルが残したコメットは再解釈され、さらに現代的でインプレッシブなデザインになって蘇りました。
いま、ジュエリーでトレンドになっているトランスフォーマブル(いく通りにも変化をつけられる)なロングネックレスは、7つあるコメットモチーフのうち先端の2つがクラスプ(留め具)になっているので、2連やY字ネックレスにしたり、ブレスレット、チェーンベルトにも形を変えたりできる、なんとも素敵なフレキシブルデザイン!
このほか、動くたびにダイヤモンドがきら星のように輝くチェーンをあしらったイヤーカフ、流れ星が手の上を駆け抜けていくような流動的なリングや、月と星が寄り添っているポエティックなリングなど、どれもストーリーを感じさせる個性的でデザイン度の高いジュエリーです。
「かけがえのない存在であるためには、人と違っていなければならない」――これはガブリエル・シャネルの残した名言。個性を重んじるジュエリーを身につけることは、唯一無二の素敵な女性への第一歩。煌めく彗星(コメット)の輝きが、心強い味方になってくれそうです。
シャネル カスタマーケア
0120-525-519
※商品価格はすべて掲載当時の金額(税込)です。