ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
暖かくなるにつれて着こなしもだんだんと軽やかになり、気分的にも上がる時季。ようやくコートやダウンの季節も過ぎ去ろうとしていますが、マフラーやカシミアストールに替わって、この春は顔周りに新たなアイテムを登場させているインフルエンサー急増中! 彼女たちがトレンチやジャケットの首元にプラスしているのは、上品でクラシカルなフレーバー漂うスカーフ!なかにはヘッドアクセとしてアレンジ活用している上級者もいるほど、最旬小物として注目を集めているようです。
ブランカ・ミロ
ファッションスナップでおなじみのバルセロナ在住カリスマインフルエンサー、ブランカ。3月に行われたシャネルのショーでは、スカートとセットアップで着こなしていたツイードジャケットを、この日はカジュアルMIXコーデに採用。ノーカラーの首元に少しバンダナっぽくも見える赤いスカーフをプラスして、色落ちデニムのブーツインスタイルとテンションを合わせています。ウエスタンブーツのようなシルエットでひねりを効かせたロングブーツはスウェーデン発ヴァガボンド・シューメイカーのもの。
リンダ・トール
オランダのデジタルインフルエンサーで、自身がローンチしたアイウェアブランドを手掛けるリンダ。クールモードなスタイルに定評のある彼女も、この春はスカーフに夢中の様子で、いろいろなコーデのアクセントとして活用しています。ヴィヴィッドなパープルがインパクト抜群なルル・ストゥディオのダブルジャケットは、ちょうどV開きになる部分にエルメスのスカーフ「カレ」をON。モノトーンの繊細な柄が上品なスパイスとして効いていますね。バッグもエルメスの名品「ケリー」で揃えて、品格アップ。
ジーナ・チャコプリア
ザラの姉妹ブランド、ベルシュカのバイヤー経験を持つスタイリストで、バルセロナの人気ファッションアイコン、ジーナ。春アウターの王道トレンチを主役にしたベーシックなデニムカジュアルに合わせたのは、スペイン発ファストブランド、マンゴーのスカーフ。大人っぽいシンプルなモノトーンが、プラダのミニトートとも相性ぴったり。存在感のある巻き方をしてもレトロになりすぎず、スタイリッシュな印象ですね。すっきり細見なデニムの足元はエルメスの「オラン」サンダルで、エフォートレスに。
カロリーヌ・ブロムスト
ストックホルムを拠点とするスタイリスト兼コンテンツクリエーターのカロリーヌ。映画のヒロイン風のクラシカルムード全開なヘッドアクセ使いは、永遠のファッションアイコン、オードリー・ヘップバーンのお気に入りで、日本でも「真知子巻き」の名で大ヒットした50年代の定番スタイル。北欧ブランドANDIATAのオーバーサイズトレンチに、アンド・アザー・ストーリーズのモノトーンスカーフをラフに巻き付けて、こなれ感を発揮させています。仕上げはシャネルのミニバッグでエレガントに。
クロエ・アルシュ
ストリートスナップの常連でフレンチスタイルのアイコン、クロエ。さらりとまとめたヘアにリュクスなアクセントを添えるのは、ブラックベースで辛口なエルメスの「ツイリー」。バッグのハンドルに巻く使い方が人気の細長いスカーフを、リボンのように使うのも新鮮ですね。レザーワイドパンツで旬を意識しながら、春めくパステルイエローのビッグニットに霜降りグレーのTシャツをレイヤードしたり、シルバーカフをニットの上からつけたり、あくまでもシックに仕上げるテクニックにも注目です。
顔周りに上品な華やぎをプラスして、春コーデを今年仕様にアップデートしてくれるスカーフは、色や柄の選び方次第で印象を変えられるのも楽しいアイテム。定番トレンチと相性抜群なのはもちろん、今シーズン話題のマダムライクなノーカラージャケットにもしっくりなじみ、引き続き人気のオーバーサイズジャケットのレディなポイントにも。さらにはヘッドアクセとしても使える万能ぶりは、見逃せませんね!
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