ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
羽織るだけでサマになる、春・秋の鉄板コートといえば、やはりトレンチ。ダブル仕立て、ウエストのベルトなど、トレンドに左右されることのないスタイルは、性別を問わず、時代を超えて愛される、タイムレスな定番ですよね。カジュアルにも、フェミニンにも、どんなコーディネートにも似合って、着回し力抜群。品よくシックに、大人っぽく仕上げてくれるのが魅力のトレンチ。この春もインフルエンサーたちは、旬のエッセンスをプラスしながら、お気に入りの1着を大活躍させているようです。
ボーダーアイテムと辛口に
定番でありながら、トレンドといえるほど大ヒット中のボーダー。バルセロナを拠点とするファッションブロガー、ジーナはピッチが細めのトップスをチョイス。切りっぱなしのホワイトデニムとのクリーンなモノトーンカジュアルに、サンドベージュ色のトレンチを羽織って、クールにまとめています。シンプルなロングトレンチはNY発フランキーショップのもの。オーストラリアブランドSENSOのブーツと、ルイ・ヴィトンのモノグラムバッグでモードにアクセントづけ。
カーディガンと上品レイヤード
ボタンがポイントになることで、トップスとしても人気のカーディガン。イギリス人モデル兼インフルエンサーのフレイアはH&Mのリブニットカーデを、英国ファストブランド、ニュールックのベーシックなトレンチと重ねて、上品ワントーンに。ザラの白シャツをのぞかせて、軽やかさをプラスしています。ボトムはNA-KDのレザースキニーをブーツインにして、旬なボリューム感をアピール。シャネルのチェーンバッグでエレガンスを添えたことで、プチプラなトレンチも高見え効果抜群!
旬なローファーとトラッドに
ハイブランドからこぞって登場している最旬シューズといえば、ローファー。ロンドン拠点のデジタルクリエーター、ジュリアは、グッチの定番、ビットローファーを効かせたトレンチコーデを披露。やや濃いめのベージュが大人っぽい1着は北欧ブランド、アーケットのもので、エポレットとも言われるショルダーストラップやガンパッチと呼ばれるフラップなど、トレンチ本来のディテールに忠実なデザイン。さっと羽織るだけで、白T×デニムのシンプルカジュアルもこなれた雰囲気に仕上げてくれますね。
スウェット上下とアスレジャースタイルに
タウンでもすっかり定番化したスウェットコーデ。トレンチを重ねて洗練度をアップしたのは、お揃いコーデが人気のロンドン在住ブロガー、サラ&フィリッパ。ソフトなベージュが優しげなトレンチは、英国ライフスタイルブランド、ザ・ホワイト・カンパニーのもの。二人が手掛けるワット・ザ・ブランドのリラックス感たっぷりなスウェットも、一気にきちんと指数が上がりますね。足元はアディダスのイージー、バッグはもこもこ素材がキュートなプラダで揃えて、アスレジャーな双子ルック完成。
スポーツスニーカーでストリート感を
ストリートスタイルの基本ともいうべき、ナイキやアディダスなど、スポーツブランドのスニーカー。サラ&フィリッパはニューバランスのホワイトスニーカーを選んで、デニムコーデにヘルシーなぬけ感を演出。主役のアンド・アザー・ストーリーズのトレンチは、すっきりしたデザインながら、王道のベージュはもちろん、ショルダーストラップとウエストベルトが、トレンチらしさを発揮していますね。フィリッパはプラダを、サラはセリーヌのミニバッグをクロスボディにして、フレンチシックに。
すっかりファッショニスタのマストアイテムとしても定着しているトレンチですが、もともとは、防寒・防水のためのイギリスの軍用コート。肩のフラップ、袖のベルトなどの特徴的なディテールは、機能性や実用性を考えて作られたものです。そんな確固たる基本形があるからこそ、色や素材、デザインなどが進化しても、永遠のベーシックであり続けるトレンチ。この春も今っぽく、かっこよく、自分らしく、着こなしたいですね!
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