ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
そろそろワードローブを春に向けてシフトし始める時季ですが、まだコートなしでは過ごせないときもあれば、ニット1枚でOKな日も。そんななか、海外のインフルエンサーたちが実践しているのが、NEXTトレンドを見据えたブリッジコーデ「デニム×ジャケット」。2022年春は、旬なジャケットはもちろん、いつもなら定番のデニムもハイブランドがこぞって推す注目アイテム! そこで、コートいらずな日はデニムコーデのアウターをジャケットにスイッチして、季節の変わり目をおしゃれに乗り切っているようです。
エルザ・ホスク
スウェーデン出身スーパーモデルのエルザ。コンバースのスニーカーをのぞかせた80年代風デニムはストックホルムのスニーカーブランド、エイティスのもので、ルーズフィットが人気のモデル「BENZ」。スポーティ&リッチのロゴスウェットの裾をちょこっとだけインして、バランスよく着こなしています。上品カラーで揃えたNY発フランキーショップのオーバーサイズジャケットとエルメスの「ケリー」バッグで洗練度アップ。バレンシアガのキャップを差し色にして、格上のカレッジ風カジュアル完成。
アヌーク・イヴ
ネイビー×クリーム×デニムのカラーブロックがお気に入りという、オランダのインフルエンサー、アヌーク。90年代テイストなストレートデニムは、ヴィンテージのリーバイス。ネイビーのシンプルなニットを合わせて、シックなカジュアル感をアピールしています。この組み合わせにクリーム色のロングコートを羽織ることもあるそうですが、この日は辛口になりすぎないオーバーサイズジャケットでフレッシュに仕上げ。クラシカルなセリーヌのショルダーバッグがフェミニンさを後押ししていますね。
マリア・ティルヴェ
サステナブルなファッションブランドを立ち上げ、クリエイティブコンサルタントやデジタルマーケティングなども手掛けるスペインのインフルエンサー、マリア。穴あきや色落ちがヴィンテージ感満載なデニムは、ザラの昨年ものだそう。ゆったりしたシルエットではき心地抜群という1本には、同じくザラのブルーシャツを合わせて、爽やかさをプラス。ベーシックなブレザーを重ねて、大人っぽくまとめています。インパクトのあるサングラスやバレンシアガのバッグがモードなアクセントになっていますね。
クロエ・アルシュ
このブリッジコーデで特に人気なのは、デニム×ブラックの配色。王道の白T×デニムに黒のオーバーサイズジャケットをレイヤードしたのは、パリ発ルル・デ・セゾンのクリエイティブディレクターを務める、クロエ。きれいめな印象のカーゴデニムはクローゼットに眠っていた90年代のものなのだとか。デニム素材で揃えたシャネルのチェーンバッグや、ロゴがキラリと光る最旬ローファーが存在感を発揮していますね。ジャケットと白Tでサンドイッチしたデニムシャツはラルフ・ローレンのもの。
マリー・ヒンドケアー
コペンハーゲン出身ブロガーで、デンマーク発webマガジン「luelle」の編集長を務めるマリー。リラックス感のあるAGOLDEのライトブルーデニムに上品さをMIXするのは、レディライクなノーカラージャケット。こちらは北欧ファッショニスタ御用達ブランド、デザイナーズミックスのもので、キラキラしたジュエリーのようなボタンがアクセいらずの華やかさですね。さりげなくシャネルのチェーンバッグを肩掛けして、エレガンスを添えながら、パリジェンヌのようなミニマルな着こなしに。
この春は、ルイ・ヴィトンやディオール、バレンシアガなど、錚々たるブランドが提案している話題のデニム。パンツに限らず、スカートやワンピースなどアイテムも幅広く、定番から個性派までデザインのバリエーションも豊富に登場するようです。またジャケットも、引き続き人気のオーバーサイズに加え、クラシカルな丸襟やコンサバ系ノーカラーも復活する模様。今年はコートを脱いだら、「ジャケット×デニム」の出番ですね!
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