ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
冬も長くなってくると、だんだん着こなしがマンネリ化してきますよね。足元も、リラックスコーデの日はスニーカー、きれいめな日は黒ブーツのように、気づけば2択になってしまうことも。そこで海外のファッションインフルエンサーたちが活用しているのが、ゴツめなホワイトブーツ。クリーンな「白」が重めになりがちなコーデに軽やかさをプラスして、鮮度アップ。あえてボーイズライクなレースアップデザインや厚底を選ぶことで、ほどよいカジュアル感をキープすることに成功しているようです。
アリシア・ロディ
ザラのレースアップブーツのホワイトをスーパーヘビロテしている、イギリスの人気インフルエンサー、アリシア。この日は、オールホワイトにまとめた、遊び心のあるスタイリッシュコーデを披露。ミニ丈のブレザーワンピから漂うグラマラスなムードに、厚めなソールのカジュアル感が効いていますね。スウェーデン発オンラインブランドNA-KDのチェスターコートでクリーンに仕上げながら、もこもこ素材がキュートなバレンシアガのバッグ「アワーグラス」で冬らしいニュアンスをプラス。
ギッタ・バンコ
ハイブランドでも人気を博しているホワイトブーツ。ドイツのファッションブロガー、ギッタが優しげなワントーンコーデに合わせたのは、ディオールの「ディオールキャンプ アンクルブーツ」。ロゴがあしらわれたラバーのアッパーとミリタリー風なデザインで、エフォートレスな着こなしをさりげなく引き締めています。トレンドのハーフジップニットには、ハンブルク発カシミアブランド、シモーネ・ブランズのニットアウターを重ねて、リラックス感たっぷりに、セリーヌのロゴ小物でリュクスにアクセントづけ。
アレクサンドラ・ペレイラ
スペインのカリスマインフルエンサー、アレクサンドラが愛用しているのは、ファッショニスタ御用達、ボッテガ・ヴェネタの「オフホワイトLugブーツ」。サイドから見るとモノトーン感が強く、ゴツめなフォルムで辛口に仕上がる1足を、ラグジュアリーなマックスマーラのテディコートの足元に抜てきしています。差し色にしたのはフェンディの名品バッグ「ピーカブー」。ミニサイズのイエローとダブルFロゴが際立つナノサイズのマッチングがインパクト抜群ですね。ロゴ入りニット帽もフェンディのもの。
ダニエル・バーンスタイン
全米人気ブランドWeWoreWhatのデザイナーとしても活躍するダニエルは、厚底のホワイトブーツを旬なデニムコーデに活用。カットアウトされたソールがユニークな1足はヌメロ・ヴェントゥーノのもので、自身のブランドのスリットスキニーからのぞかせて、軽やかにトレンド感をアピールしています。色落ちデニムに合わせたのは、ターコイズ色が鮮やかなロエベのニットとくすみカラーのシャネルのヴィンテージバッグ。マーメイド風を意識したというグラデ配色にブーツの白がすっとなじんでいますね。
カリン・タイグル
オンラインマガジン「CONSTANTLY K」を手掛けるファッショニスタ、カリンが選んだのは、今季リバイバルヒット中のMouのムートンブーツ。この日はバルーン袖がモード感を醸すプラダのコートを主役に、ウィンターカジュアルの脇役として活躍させています。ホワイトで揃えたニット帽とタートル、そしてムートンブーツが、ライトブルーのデニムを冬らしく盛り上げながら、ヴィヴィッドなイエローコートを引き立てていますね。小ぶりなゴヤールのグリーンロゴトートとのカラーブロックも効果的。
白ならではのクリーンなイメージを味方につけて、旬なエンジニアブーツや冬の定番ムートンブーツなど、あえてカジュアル方向にふって取り入れるのも新鮮。どんな色にも合わせやすく、ぱっと明るく、着こなしの雰囲気を一気に変えるホワイトブーツ、冬コーデの脱マンネリにぴったりですね。
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