息をしているだけで理不尽な目に遭うこの社会で、私たちにはジュエリーが必要だ――すり減った心に寄り添い、励ましてくれるアイテムを、毎日一つずつピックアップ。編集Kのつぶやきとともにお届けします。
File 06:この上なく繊細なリング&ブレスレット
本日ご紹介するのは、エナソルーナのチェーンリング&ブレスレット。ピンクゴールドにひと粒ダイヤモンドのオーセンティックなデザイン…と思いきや、ダイヤモンドを挟んで左右でチェーンのタイプが違っていたりと、細やかなこだわりが光ります。
リングは正直、つけるのにひと苦労です。チェーンがちぎれやしないかと、不安になりながらそっと、そっと、指に通します。イライラしている日には不向きだけれど、きちんと時間をとって、丁寧にまとうことで、気持ちまで豊かになれる、そんなジュエリーです。
話が変わりますが、先日、混雑する駅のホームで、おじさんがすれ違いざまに女性のお尻をパシっと叩いて立ち去るところを目撃しました。あまりに一瞬の出来事で、とっさに何もできず、「痴漢です!」と叫べばよかったのか、それとも女性に「大丈夫ですか?」と声をかければよかったのか、悶々としながら帰宅。そのあともしばらく、唖然とした表情で立ちすくむ女性の姿が頭にこびりついて離れませんでした。
思えばこういうふうに、じっとりとした嫌な気持ちになる経験、一度や二度ではありません。とっさに何もできないせいで、我慢し、やり過ごし、そしたらいつのまにか「なかったこと」になっているけれど、性暴力やセクハラに直面するたびに襲ってくる独特の不快感と恐怖は、いつも一緒です。
いつも、と思えてしまうくらい、至るところで、何度でも繰り返されているの、異常すぎる。またかと受け流せる私たちの感覚は、どこか麻痺させられていやしないか。繊細さを取り戻したい。もっと怒りたい。無心にチェーンを手繰るうち、そんな気持ちがふつふつと湧いてきました。
エナソルーナ
www.enasoluna.com
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