ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
いまやすっかり定番のブレザーは今っぽくて、簡単に洗練見えするアイテムだけど、ハリウッドセレブが好むような派手色はなかなか普段使いしにくいですよね。そんな時に頼りになるのが、シックで上品な秋色ブレザー。季節感たっぷりで、かっちりしすぎず、インナー次第で初冬まで活躍してくれるのも優秀。海外インフルエンサーの間ではまろやかなベージュ~こっくりブラウンの温もりのある色合いや、英国紳士を思わせるグレンチェックやガンクラブチェックなどのトラディショナルな柄が人気のようです。
キアラ・フェラーニ
イタリアの元祖ファッションブロガーで、SNS界のクイーンともいわれるキアラ。上質感漂うブラウンウールのジャケットで、2022春夏のミラノコレクションのショーに出席。ファブリックにくるまれたボタン使いが印象的な1着と、ジャケットと同系色のスエードにもこもこのトリミングがあしらわれたバッグは、どちらもトッズのもの。NY発スティル・ヒアのクラシックなブルーデニムとダンガリーシャツのデニムonデニムに合わせて、ちょっとレトロに、温かみのあるカジュアルに仕上げています。
ヌール・ビラン・ヤヴザール
自身が起ち上げたファッション&コスメブランドのクリエイティブディレクターを務めるトルコ人インフルエンサー、ヌール。ブラックで統一したカジュアルなスタイリングにカフェオレ色を重ねて、クールな印象を和らげています。こちらのベーシックなジャケットはイスタンブールを拠点とする自身のブランド、ビューティオムレットのもの。足元は旬なエンジニアブーツでボリュームを出しながら、つややかなブラックレザーにセリーヌのロゴが光るバッグをクロスボディにして、クラス感アップ。
ダコタ・ジョンソン
ハリウッドの大御所スターを両親に持つ俳優ダコタ。新作映画のプロモーションで大忙しな彼女はこの日、“プリンス・オブ・ウェールズチェック”と呼ばれる英国フレーバー満載なグッチのチェック柄ブレザーをチョイス。リダンのシンプルな白Tをのぞかせて、軽やかに着こなしています。ボトムはメタリックのストライプラインが煌めくマグダ・ブトリムのマニッシュなパンツとパリ・テキサスのミュールで、秋らしいワントーンに。パンチを効かせるスクエアサングラスはセリーヌのもの。
ダニエル・バーンスタイン
アメリカの有名なファッションサイト&ブランドWeWoreWhatの創始者で、デザイナーでもあるダニエルが、“今日の秋色コーデ”と投稿したのがこちら。さりげないモード感が漂うオーバーサイズの白シャツに、NY発セレブ御用達ブランド、ケイトのガンクラブチェック柄のブレザーをon。チョコ色のニットをラフに肩掛けして、クロエのロゴトートとカラーリンクしています。サングラスと色を揃えたコンバースのボルドー色のハイカットスニーカーも、深みのある配色コーデに一役かっていますね。
アミー・ソング
LA在住のカリスマインフルエンサー、アミー。淡いキャメル色のグレンチェック柄がソフトな雰囲気を醸すブレザーはティビのもので、今季人気復活が噂されるミニスカートとお揃い。白シャツにグレーベストをレイヤードして、グレーソックスにプラダの白パンプスを合わせた、スクールガール風のアレンジがキュートですね。この10月、2022春夏コレクションのショーで発表されて話題を呼んだ、MIUMIUのローライズミニスカートにインスピレーションを得たコーディネートなんだそう。
ガーリーな着こなしを大人っぽく仕上げ、カジュアルにもほどよいきちんと感をプラスしてくれる万能ブレザー。シックなカラーやトラッドな柄で秋の気分を盛り上げてくれるだけでなく、おうち時間に慣れた今、羽織るだけで背筋が伸びるような着心地もなんだか新鮮。おしゃれ心が刺激されて、お出かけしたくてウズウズしてしまうかもしれませんね!
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