健やかなカラダそして肌を維持するために必要な‟アミノ酸“。聞き慣れている成分であるものの、その実態を見たり、触れたり、さらにどのように私たちが取り入れたら効果的なのかを知っている人は意外と少ないはず。今回、アミノ酸をより身近に感じるため、アミノ酸を熟知している「味の素ヘルシーサプライ」のラボをGINGER読者の2人が訪問。アミノ酸のパワーそしてその成り立ちを取材しました。
美肌を作る‟タンパク質”はアミノ酸がつながってできている!?
100年以上にわたって「アミノ酸(グルタミン酸)」のパワーを広め、食品、調味料はもとより医療や化粧品といったヘルスケア分野にも活躍範囲を拡大し続けている‟味の素グループ”。そのなかで‟味の素ヘルシーサプライ”は、科学的アプローチで「アミノサイエンス®」を担っているグループの根幹的存在。日々アミノ酸の働きを様々な角度から考察し、どうすれば社会問題の課題に活用できて、Well-Beingへの貢献につなげられるのかを、研鑽し、新しい素材、機能、技術へつなげているそう。
「アミノ酸」そして「アミノサイエンス®」に携わってから30年以上になる金子さんは、調味料、食品への活用が多いなかで、化粧品への可能性を追求し続けているエキスパート。その言葉一つひとつに説得力があり、美肌を高めるためのキーワードがたくさん!
白衣に着替えラボに入った山田さん、岩崎さん。目の前にはビーカーやマグネチックスターラー、そしていろいろと揃えられた液剤が並んでいて、学生以来の理科、科学の実験室のような雰囲気に少々緊張気味の2人。でも金子さんの優しく丁寧な解説に次第にリラックスして…。
「本日はアミノ酸のパワーを外側から体感してもらうために、実際にアミノ酸を使って化粧水を作ってもらいます。アミノ酸といっても種類が多く、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、アミノ酸誘導体類…と20種類以上あります。それぞれ個性豊かな力が備わっていますが、今回はタンパク質の材料となるアミノ酸で体内で作ることができる‟非必須アミノ酸”の『グリシン』『プロリン』『アルギニン』『セリン』の4種類を用意しました」(金子さん)
‟アミノ酸”といっても働きの異なるものがたくさん!
4種類の働きは――丈夫なコラーゲンをサポートし、バリア機能も整える「グリシン」、潤いを与え、コラーゲンの材料ともなり、角層を強くする「プロリン」、血流を促進し、コラーゲンの産出を促す「アルギニン」、潤いに欠かせず、セラミドや細胞膜のもとになり、酸化も防ぐ「セリン」……といったどれも美肌にとって魅力的なパワーを秘めているそう。
「ビーカーには水に溶けやすく吸湿性が高く化粧品によく用いられる原料、グリセリンが入っています。ここに4種類のアミノ酸を働きを考えつつ、好みを反映しながら入れていってください。1種類でも4種類でも構いません。量によって感触も変化するのでぜひ触ってみてください。さらにアミノ酸の量によって色も違ってくるはずですので、それも楽しんで!」と金子さんから説明が。
用意されたアミノ酸の働きを考えつつ、希望のテクスチャーになるように何度も入れては肌の上で試す…を繰り返す2人。最後に香りを決めるローズ水で仕上げていきます。
「日ごろから効率の良いスキンケアを目指していて、老廃物や角質が滞らないよう代謝のいいケアを心掛けています。必要なものはたっぷりと!を意識しているので…4種類まんべんなく入れました!」(山田さん)
「グリセリンに精製水を加え、好みのアミノ酸、そしてアミノ酸誘導体ナノ化エルデュウを加え、最後に香り付けでローズ水を入れてのオリジナルの化粧水。液体を加えるたびに変化を感じて驚き! 少量でこれほどまでに変わるとは。時間がたった後の"もっちり感"にもびっくりです!」(岩崎さん)
へこたれない肌には‟塗るアミノ酸”が必要!
「肌の状態、そして求めることは人によってかなり違います。本来ならそれに合わせた個別の化粧品があればいいのですが、それはなかなか難しいのが現実。ただ‟アミノ酸”による働きはかなり広い範囲でフォローできるはず…と信じています。だからこそバランスよく設計したいと心がけています」と金子さん。ちなみに‟推しアミノ酸”を聞いてみると――「‟セリン”ですかね。底知れぬパワーを感じているんですよね…」と笑顔に。
‟アミノ酸”そのものを体感し、実際に化粧水を作っ2人の感想は――。
「少しの量の違いでテクスチャーやしっとり感がここまで違うとは…改めて皆さんの研究があってこそなんだな…と実感しました。肌への吸収力の違いも配合次第。化粧品の効果、効能に違いが出るんだなと。これからは、化粧品を選ぶ際にも成分表をしっかり見て、アミノ酸が何番目に入っているのかしっかりチェックします! さらに‟アミノ酸”を食やサプリなどからも取り入れて、イン&アウトからのWアプローチを意識していきたいです」(山田さん)
「もともとアミノ酸のイメージは、‟食物として摂るもの”でした。なので、アミノ酸がこれほどまでに化粧品に使われていることを今回の体験で知ることができて驚きました。また‟アミノ酸“には一つひとつ働きがあり、健康をサポートするだけでなく、美もバックアップしてくれて、秀逸なものだと感じました。‟アミノ酸“といってもテクスチャーや効果が変わることを学んだので、日々のスキンケア、基礎化粧品を選ぶときに参考にします」(岩崎さん)
今回特別にラボを見学し、アミノ酸のパワーを体感した2人。次回はこの学びをもとに、自宅でアミノ酸のパワーをイン&アウトから取り入れた結果をご報告します!
取材協力/味の素ヘルシーサプライ