日々、数多くの製品が発売されているビューティ業界。そのなかからアラサー世代に本当に必要な化粧品、そして信頼のおけるブランドを美容ジャーナリスト永富千晴さんが紹介。あなたのキレイをひと押しするメッセージとともにお届けします。
今こそ、唇への意識を高める
SNSでつながっているインフルエンサーさんと久々に顔を合わせた。この日はリモート中の口紅事情について話を伺ったのだが、美容通は「マスク」に対する意識も高い。ワイヤー入りで横顔をすっきり見せるマスクや、通気性に配慮した立体マスクなどマスク選びも審美眼が光る。
そして、肝心なのはマスクの付け方だとも。まず、マスクを伸び広げたら2つに軽く折り丸みを作る→顎を合わせてから耳にかける→鼻を調整。この手順だと口紅の擦れが最低限に防げるのだそうだ。また「マスク中は口角をあげるエクササイズを」「マスク期間中はお直しに最適」という女性も増えた。ということは、顔が隠れる利点を生かして「キレイに磨きをかける人」と、マスクを言い訳に「口元が緩み、すっかり老け顔になる人」に分かれる現象が起きているということ。“マスクだとメイクも手が抜けて楽チン”と思っていた自分は、後者にまっしぐらではないか。その予兆を口元に感じる!
いそいそと薬局に行き、銘柄違いでマスクを大人買い。そしてシャネルの口紅を新調した。〈ルージュ ココ ブルーム〉というプランプ効果や潤い力が話題の新ルージュだ。シャネルの公式サイトに入ると“CHANEL TRY ON”があり、自分の顔で全色試せる、という便利さである。悩んだ末、結局134番のテラコッタ系と116番のベージュ系を。その仕上がり感、機能は想像を遥かに上回るものでした。
まず、リップクリームなどで前準備しなくても、パサパサの唇がしなやかに。そればかりじゃなく、ヒビ割れ直前の縦ジワも丸ごとプランプしてくれる。例えるなら、ボリュームの出るグロスがヒアルロン酸注入系だとすると、この〈ルージュ ココ ブルーム〉は、まるで唇に美容液を注入したかのよう。水光ルージュのごとくぷるんと輝く。しかも、シャネルのルージュの中でも特殊なソフトテクスチャーにもかかわらず、高発色が続くロングラスティング製法。マスク中のマットリップもいいけれど、女っぽさは断然上。あぁ、忘れていた。この高揚感を。マスク生活はまだ続きそうだが、直に会ったときに、自撮りと全然違うと思われるのも虚しい。やはり新生活でも気を抜きすぎないでいよう。
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