結婚に恋愛は必要なのか…10月18日(金)より映画『恋愛終婚』が公開される。嘘つきで女たらしな桂木一輝を演じた俳優・濱正悟さんにインタビュー。同性愛の結婚や、友情結婚、歳の差婚など、多様でリアルな愛の形を描いた恋愛コメディに挑戦して感じたことは。
恋愛なんてオワコン!?8人の男女を巡る群像劇
恋愛結婚の離婚率は約40%、一方で、お見合い結婚の離婚率は約10%と言われているほど、長い人生で見たら恋愛感情を抜きにした方が幸せな結婚生活を送れるのではないか――。そんな命題をもとに制作されたのが、映画『恋愛終婚(れんあいオワコン)』。本作の監督・脚本を務めた岡元雄作さんの5年間にも及ぶ婚活経験から生まれたという。撮影は三年前、完成形を最近観たという濱さんは、どうしても気恥ずかしさが抜けなかったと照れながら明かしてくれた。
「あまり恋愛モノをやってきていなかったので、当時は新鮮な気持ちで演じたんですが、今観るとなんだか歯痒い感じ(笑)。この三年間、いろんな作品に携わったことで、考え方やお芝居の仕方、現場への臨み方がちょっとずつ変わってきたこともあって、三年前のカッコつけた自分が照れくさかったですね(笑)。作品のなかではそれがカズキっぽくていいんですが、自分の過去の作品を観る感じがなんだか不思議でした」
不器用で素直になれない、カッコつけしいなのがカズキらしい、自身が演じた桂木一輝についてそう話す。本作のキャッチコピーでもある「結婚したければ恋愛するな。恋愛なんてオワコンだ」と劇中で放つのはこの一輝なのだ。
「最初にこのセリフを目にしたときは『どういうことだ!?』って時が止まりました(笑)。一輝は突拍子ないことを言う強がりなんですが、そうすることで自分の弱さを紛らわせているんですよね。兄弟との関係やトラウマ級の恋愛、恋をすることが億劫になるような過去を持つからひねくれてしまう部分もあるのかなと」
そんな一輝と濱さんの共通点とは。深掘りするうちに、一輝は三年前の濱さんだからこそ巡ってきた役だったのではないかと想像する。
「一輝はツン度99.9%な男。好意を持っている相手に対して、ツンとしてしまう気持ちは分かるかもしれません。例えば、すごく似合っているから褒めたいけれど、恥ずかしさが勝って褒められないことが…。現場を経験していくうえで、役とともに成長しているから最近は無くなってきましたが、三年前は本当は話したいけれど、自分の気持ちを話す勇気がないし、人見知りな性格だったので、“青い”という意味では三年前の僕と一輝は近いのかも。だから当時は思いっきり演じることができましたし、今同じ役…って言われたら難しそうですね(笑)」
当時はまだ“青かった”と話す濱さんが、撮影中に監督に言われてハッとしたことがあるそう。以降、表情や声のトーンを意識して、一輝の内に秘める想いを作中に散りばめた。
「当時は分かりやすく表現することが大事だと思っていたんです。観る人がすぐ理解できるようにお芝居しようと。でも、画として描いていなかったりセリフとして説明していないあるシーンのときに『こうしたら分かりやすいんじゃないですか?』って監督に伝えたら、『あえて分からないようにしている』って言われたんです。そこで、余白を作ることで観客に想像してもらいたいって想いがあることを知って。それは自分のなかの新たな発見でした」
婚活OL×女性関係にだらしない営業、パパ活女子×マザコン公務員、勝気な女子高生×女ゴコロの分からないマーケター、結婚式を挙げたい役者×結婚式を挙げたくないライター、などなど個性豊かなキャラクターと問題だらけなマッチング。結婚コンサルタントとして指南しているはずが、段々と恋愛感情が湧いてきて…!? 笑いあり涙ありハプニングあり衝撃告白あり…登場人物が徐々に交錯していく恋愛コメディ群像劇だ。
「完成を観たときに“潔さ”を感じたんです。笑えるシーンにちょっとヘビーなシーン、てんこ盛りな内容だけれどテンポが良い。不器用で、ちょっとイケてなくて、そんなところを愛せるような登場人物たちをみて、クスリと笑えるような内容になっていて。『おい!』ってツッコめるようなところもあるので、みんなでワイワイ観てほしいですね」
「結婚に恋愛は必要?」そんなメッセージを観客に投げかけ、結婚観のポテンシャルを模索しながらゴールへ誘う本作。婚活で悩む人々にエールを送る作品が誕生した。本作を経て、そして今夏に30歳の節目を迎えた濱さんに、恋愛観のアップデートはあったのかと聞いてみると…。
「よく『30歳になるまでに結婚する』『30歳になったらあれをやらなきゃいけない』って言いますが、そういう決め事が自分の縛りになることに気づいて。30歳になったからではなくて、変わるのは32歳だって39歳だっていいんじゃないかなって思えるようになりました。だから無理に決めたくなくて、恋愛観はまだ未アップデートです。って言いながら、来月には言ってることが変わってるかもしれないけれど(笑)」
映画にちなんで…3つのQ&A!
恋愛相談はするタイプ?相談を受けるタイプ?
自分からは相談しないかも。それより聞く方が好きなんです。最近もヘッドスパを受けに行ったとき、担当してくれた方と話していて、その方の直近のデートプランを聞いて盛り上がりました(笑)。ドラマや映画で「そんなことある?!」って思うことが、意外と日常に起こるんだなって思いました。
〇〇コンサルタントになるとしたら…〇〇に入るのは?
サウナのととのい方コンサルタント! 僕、サウナ室の構造や水風呂の温度にめっちゃ敏感なので、コンサルタントできるくらい詳しいかも。俳優仲間や監督、スタッフさんも含めて、現場にサウナ好きが多いこともあって、サウナの話は鉄板。時には現場終わりに一緒に行くことも。都内はほぼ行き尽くして、最近は地方にまで進出し始めました(笑)。
「恋愛終婚」にちなんで、濱さんを4文字で表すと?
「発展途上」。この仕事をしていると、毎回演じる役が違ったり番宣でバラエティ番組に出させていただけたりして、いろんなことを経験できるんですよね。知らないことがまだまだたくさんあって楽しいです。好奇心旺盛というか…あっ、好奇心旺盛は5文字ですが(笑)。日々僕自身が進化しているという願いを込めて、発展途上で。
映画『恋愛終婚』
出演/秋月三佳 濱正悟 / 北原里英 ほか
監督・脚本/岡元雄作
renaiowakon.com
※10月18日(金)よりイオンシネマにて公開
濱正悟(はましょうご)
1994年8月22日生まれ、東京都出身。2015年ドラマ「下町ロケット」で俳優デビュー。近年では、 NHKよるドラ「恋せぬふたり」カズくん役や、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、民放連ドラ初主演を務めたテレビ東京「何かおかしい」、連続テレビ小説「舞いあがれ!」航空学校編などに出演。現在TBSドラマ初主演となるドラマ「毒恋~毒もすぎれば恋となる~」が放送中。
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