まっすぐ胸に届く歌詞と体を揺らしたくなるほどクセになる曲調、多くの人を魅了する楽曲を世に送り出している新世代アーティスト・imaseさん。たった数年にしてポップス界のメインストリームに躍り出たimaseさんってどんな人?
音楽を始めて約3年。唯一無二の輝きを放つアーティスト
「どうでもいいような 夜だけど」。このフレーズを目にしただけで誰もが口ずさめる、imaseさんの代名詞とも言える「NIGHT DANCER」。2022年にリリースされたこの楽曲は、海を渡って韓国やタイなどアジア各国でも支持され、SNSでの総再生回数は80億(※2024年5月時点)を超える超のつくバイラル曲だ。
昨年は「第65回輝く!日本レコード大賞」で優秀作品賞、韓国最大級のK-POPアワードMMAで“J-POP Favorite Artist”、同じく韓国のアワードCCMAで“J-POP部門”を日本人アーティストとして初めて受賞したimaseさん。ほんの数年前までは無名の青年だった彼が駆け上がったシンデレラ・ストーリーとは。
多くの人が曲を聴いてくれたと実感した瞬間
音楽を始めたのは20歳。始めはTikTokにタイトルのない自作のトラックをアップしただけだった。その後立て続けに何曲かのトラックを投稿し、のちにデビュー曲ともなる「Have a nice day」のショート尺を投稿。その動画に火がつき、メジャーデビューへと繋がった。
「もともと歌うことは好きでしたが、音楽をやりたいとか楽器を始めたいという気持ちはなくて(笑)。音楽を始めたのは、友達がギターを購入して弾いている様子を見て、自分も弾き語りしたいなぁと思ったことがきっかけです。周りに音楽をやっている人がいなかったので、曲の作り方や必要な機材はインターネットで調べていました。ちなみに、音楽を始めるきっかけになった友達は毎回僕のライブに毎回来てくれて、とても喜んでくれています(笑)。
たくさんあるプラットフォームの中でTikTokを選んだのは、拡散力が大きいと思ったからです。他のプラットフォームだと、ある程度フォロワーがいないと聞いてもらえない印象がありましたし、TikTokは急に動画が伸びることがあるので自分の楽曲を聴いてもらいやすい場所だなと思い投稿を始めました」
そんなimaseさんを語るにハズせないのが「NIGHT DANCER」の存在。2022年にリリースしてすぐ、TikTokでキャッチーな“踊ってみた動画”がバズり、K-POPアイドルとのコラボ動画も注目を集めた要因のひとつ。imaseさんはこれがきっかけで、国内外問わず多くの人に自分の楽曲が届いたと実感したそう。
「あるときを境に僕が投稿した動画に海外の方のコメントが増えたんです。また、いろんな方が『NIGHT DANCER』のダンスチャレンジ動画を投稿してくださり、韓国のアーティストの方々もカバーやコラボをしてくださいました。改めてSNSを通しての繋がりを実感しました」
そして、昨年は自身初の全国ライブツアー「imase 1st Live Tour 2023 “Utopia”」、韓国・タイでのショーケースが行われ、これまで画面を通して交流していたファンとついに対面を果たした。
「初めてのライブは緊張しましたが、僕の音楽が好きで来てくださっている方たちばかりだったので、同じ空間・時間を共有できたことがとても嬉しく、すごく素敵な場所だと感じました。また、海外でのライブでは、僕に合わせてみんなが日本語で歌って踊ってくれたんです。海外の方からすると日本語は難しい発音も多い言語だと思うのですが、日本語のままでもたくさんの方に聞いてもらえるんだと実感しました」
imaseらしい音楽とは
楽曲作りに関してはまったくのビギナーだったにも関わらず、色鮮やかな楽曲を世に送り出すimaseさんの音楽のルーツが気になり聞いてみると、珍しくもなければむしろ同世代の多くが共感する王道なJ-POPだと言う。
「中学生の頃はGReeeeNさんや湘南乃風さん、高校生の頃は星野源さんや米津玄師さん、King GnuさんやSEKAI NO OWARIさん。幼少期は両親の影響で松任谷由実さんや松田聖子さんのような歌謡曲を聴いていたので、それらが自分の楽曲のルーツになっているんでしょうね。また、高校生の頃はEDMがすごく流行っていたので、その影響も受けているかもしれません」
流れるような心地良いフロウと弾けるような軽快なポップ感。imaseさんが作り出す音楽の背骨は何か、自分らしいエッセンスは、と尋ねると。
「ポップスを作るうえで“キャッチーさ”はすごく意識しています。サビ部分やフック部分の歌詞の残りやすさやメロディーの残りやすさですね。自分らしさは、ファルセット(裏声)の使い方と歌い方ですかね。僕は、歌詞をのせる前のメロディーの段階で、ファルセットへの切り替えはここがいいかな、それとも地声を張った方がいいかなというのを決めています」
令和に誕生した新星アーティスト。中毒性の高い曲を生み出す彼は、曲作りのヒントを何から得ているのか、その答えにはデジタルネイティブ世代らしい背景があった。
「曲を作る時は、とにかくたくさん音楽を聴きます。作りたいジャンルの音楽をSpotifyやYouTubeのプレイリストから探すんです。例えば、検索欄に『80年代 シティポップ』と入れると誰かがまとめてくれたプレイリストが出てくるので、それを聴き込みます。映像や作品、本からというより、音楽からインスピレーションが湧いてくるんです」
音楽を聴いて音を打ち込む。imaseさんは、並外れた洞察力と天性のセンスの持ち主だった。その才能に私たちは抗うことはできず、強く魅せられて聞き入ってしまう。世界のポップス界を牽引するであろう超新星の勢いはまだまだ止まらない。
imase(いませ)
2000年11月9日生まれ、岐阜県出身。音楽活動開始わずか1年でTikTokで楽曲をバイラルさせ、2021年12月にメジャーデビュー。「NIGHT DANCER」はMVの再生回数が2億回目前、韓国の音楽配信サイト“Melon”でJ-POP初のTOP20入りを果たし、SpotifyバイラルチャートTOP50に31の国と地域でランクインするなど世界でもバイラル中。1st Album『凡才』が5月15日にリリース。6月からは初のアジアツアー「imase 1st Asia Tour “Shiki”」、11月からは初のホールツアー「imase Hall Tour 2024 “Shiki-Sai”」を開催予定。
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