初主演映画で激しくも色っぽいアクションを披露する岸優太さん。主演作への意気込み、そして今、ご自身が“戦っていること”を聞いた。
格闘していたのは、実は戦闘シーンだけではなかった!?
「演じていて、この感情が役のものなのか、岸のものなのかわからなくなってしまう瞬間がありました。役者としては落第かもしれないけれど、岸が普通に、スクリーンに映ってしまっているシーンもあると思うんです」
仲間のために体を張って戦う高校生を演じた映画『Gメン』での撮影を、27歳の岸優太さんはそう振り返る。岸さんが高校生役、と驚くかもしれないが、今回の高校生役出演者の平均年齢は30歳以上。全員大人で挑んだアクションコメディだ。
「それはもう、10代に見えるように毎日、顔の保湿を丹念にしていましたよ。あとは皮膚が削れるんじゃないかと思うくらいヒゲは剃ってました(笑)。でも今回演じた役は本能のまま生きて、戦うところとか、言葉遣いとか、年齢は違うけど自分自身にとても近い部分がありましたね」
見どころは激しいアクション、撮影はさながら戦場のようだっただろう。
「田中圭さんや、高良健吾さんといった先輩方は、全然手を抜かない。ここはスタントを使っていいんじゃないかと、僕なんかは最初は思ってしまったくらいです。場数をたくさん踏んでいる人が、そうやって体を張って、努力されているのを見て、すごく刺激を受けたし、引っ張られました。これはもう絶対サボれないぞと」
そして実は今回、岸さんにとってはアクションよりも難しい戦いがあったのだとか。
「アドリブの戦いが地獄でした。みんながどんどんアドリブを重ねてきて、僕だってやってやると思うけど、変なことを言ってしらけるのが何よりも怖い。吉岡里帆さんとか、テストでは普通だったのに、本番でいきなりしかけてきたりして、僕はもうただただずっとテンパっていました。そのシーンでは普通に岸としてテンパっている様子が、恥ずかしながら映ってしまっていると思います。ただ、僕は緊張したり、テンパったりってそれはそれでいいんだと思っています。監督はそれも楽しんでくれたので、そこも含めてエンタテインメントとして観ていただけたらうれしいです」
共演した竜星涼さんはじめ、クラスメイト役の仲間たちとは、作品同様友情も芽生えた。
「ほんと、みんな結構いい大人なのに、くだらないことでLINEしあったり。昔から知っている慎ちゃん(森本慎太郎)がいたのもうれしかったな。最初は、映画の現場に兄弟がいるみたいな感じがして、ちょっとお互い緊張したけど、そういう場で頼れる人がいるのはありがたかったし、そこからみんなとも打ち解けることができたんですよ。本作は仲間のために戦うっていうストーリーですけど、僕も、その時が来たら、仲間のためには頑張れるんじゃないかな」
撮影が終わったあと、すべてを出し尽くして「カラカラになった」と言う岸さん。そうして全力で取り組んだ仕事を通して、自分に足りないことにも気付けたか、聞いてみると。
「いや、逆に足りてることなんて何もないです。今まで、正直自分に満足したことなんてないですよ。演技も歌もダンスも全部。自信がないとかではなくて、足りていないと知っているからこそ、120%で頑張れるんだと思っています。僕はそうやって前に進んでいくしかないと、思っていますから」
全国公開中!映画『 Gメン』
原作/小沢としお
監督/瑠東東一郎
出演/岸優太、竜星涼、田中圭ほか
女子に人気の男子校に転校したはずが、問題児が集まる「G組」に入ってしまった勝太。クセの強い仲間たちとトラブルばかりの青春が始まる。
https://g-men-movie.com/
岸優太(きしゆうた)
1995年9月29日生まれ、埼玉県出身。映画『劇場版 仮面ティーチャー』『黒崎くんの言いなりになんてならない』『ニセコイ』などに出演。本作が映画初主演作となる。