芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で世の女たちの生き様を観察します。
第49回 ドラえもんを観てもらえない女
友人が好きな人と微妙な関係をずっと続けている。たしかに仲はいいが、どうも付き合うことにならないらしい。占い師に相談したところきっと運命の人だと言われ、信じてその日を待っている。
体の関係は“途中”まで持った。“最後”までしてしまうと絶対に付き合えないし遊ばれてしまうからその一線は死守しているらしいが、意外とそこは付き合えるか否かに関係ないのかもしれない。
順番が逆でも付き合った人も結婚したケースもたくさん知っているし、そもそも「本気じゃないかも?」と疑う時点でその勘はだいたい当たっている。それでもきっとまだ運命の時がきていないだけだと盲目になっている本人に代わって、こういう時に確認すべき項目が五つある。(←完全におせっかい女)
1. 会う時に店を予約してくれるか。
2. ごちそうしてくれるか。
3. 彼女がいないということを明白にしているか。(聞きづらい雰囲気を作ってないか)
4. 何時に電話をしても出てくれる、たとえ出れなくても電話で返してくるか。
5. ドラえもんの映画を一緒に観てくれるか。
これら一つでも欠けてたらその男は彼女がいるか、同じような関係の女性が数人いる。
(男が本気のときは馬鹿みたいにわかりやすいし、駆け引きなどしない。そのデートを成功させたいなら絶対に席を確保するし、さして興味がなかったとしてもドラえもんくらいなら付き合うのが好調な恋愛というもの)
友人はいまのところ五つとも欠けている。「電話が苦手だから…」「アニメみないから…」と言いながら陸で溺れている。
そんな姿を見たら周りは「絶対に無理だよ」とは言えないもので、服屋の店員の如くさりげなく他を勧めることでストップかける。
逆に見込みがあるとき女は「絶対いけるよ!」とゴリ押しするものだから、自分で見込みありかなしか見極める時、
6. 周りがマンキンで応援してるか
というのは極めて重要なのである。
占いを信じるのは自由だが、彼女は早く、ドラえもんを一緒に観てくれる人に移行するべきだと思う。
最後に
微妙な間柄とかけまして
ラップの韻と解きます。
その心はどちらも
それを不毛と(踏もうと)する人もいるでしょう。
今日も女たちに幸せが訪れますように。
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