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TIMELESSPERSON

2022.10.04

守備範囲が広い「ちょっと」の使い方【壇蜜の今更言葉】

日ごろから“言葉”についてあれこれと思いを巡らせている壇蜜さんの連載『今更言葉で、イマをサラッと』第57回目。言葉選びと言葉遣いが、深く、楽しくなる。そして役に立つお話。どうぞお楽しみください!

壇蜜プロフィール写真

その57『ちょっと』

数量、時間、程度などが少ないこと。少し、わずかとも言い換えられる。更に呼びかける際や否定したり断ったりする際の前に置く言葉としても使われる。なかなか守備範囲が広いのが「ちょっと」の特徴ともいえる。ちょっとの意味はちょっとだけにはとどまらない。「ちょっと待ってて」「ねえ、ちょっと君!」「それはちょっと多すぎるような…」「ちょっと今日は都合が悪いんです」…どれも「ちょっと」を使うがそれぞれの持つ意味が違う。某有名双子コメディアンがネタとして織りなす「ちょっと、ちょっとちょっと!」は「待ってよ」「イヤだよ」「困ります」的なツッコミがリズミカルに含まれているように感じる。二人のリアクションやタイミング良くシンクロしたセリフが笑いをさそうのだろう。一人で真似をしても、あまりおかしみを引き出せない(やってみたが)。

日常生活でよく使われる「ちょっと」。実はあまり頻発させると相手との交流において思わぬ誤解や摩擦を起こしかねないのはお気づきだろうか。まず時間を確定させないで「ちょっとお待ち下さい」「ちょっとでいいから、ここにいて」などと言ってしまいがちだが、発話者と受け取り側のちょっとは細かく時間に置き換えたら同じではない確率は高い。発話者は10分くらいのつもりでも、受け取り側は3~4分だったら「ちょっとって言ったのに時間かかるじゃん」となりかねない。いや、口には出さなくても思われていると考えて良いだろう。更に誘いや同行などをやんわり断りたいとき「ちょっと…」と、後に口ごもると「ちょっと何?」という鋭い指摘や尋問のいとまを与えてしまってムードが悪くなる可能性もある。

金銭面、精神面、世界情勢面…何かと余裕が持てないこのご時世、不寛容になりやすいため曖昧さを取り締まる目も厳しくなる。ちょっと、はかなり使う場面が限られる言葉になるだろうと私は危惧している。奥ゆかしきクッションみたいな言葉すら「ハッキリ言いなさいよ!」なんて言われるのは悲しいが、無駄に揉めたくない。「10分待って」とか「その日は家の用事で終日動けません」と真っ直ぐな瞳で相手に訴えることは、間違いではないのだが。

壇蜜の【今更言葉で、イマをサラッと】をもっと読む。

TEXT=壇蜜

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