俳優・青柳翔さんにインタビュー。役者という仕事への思い、そして主演舞台『三十郎大活劇』について聞きました。
人の目を気にせず、ただがむしゃらにやるだけ
「僕は、役者という仕事をやっていなければ、何もできない人間なんです。多分お金も稼げずに、住む家もなかったんじゃないかな(笑)。ここ数年、お芝居をさせてもらうたびにそれを感じます。だからこそ、この仕事だけを突き詰めて、積極的に芝居をしていかなければと、年々強く感じるようになってきたんです」
そうまっすぐな目で語る、青柳翔さん。4月から始まる舞台『三十郎大活劇』で、主演をつとめます。演じるのは、スター街道を走っていくひとりの役者。
「戦前・戦中の映画界を描く作品です。僕はこの時代を知らないですが、稽古を積んで、脚本や時代背景を理解することで、お客さんに当時の熱を伝えられると思っています」
現在36歳。20代の自分から少しずつ変化を感じ始めているそう。
「20代のころは、人から自分がどう見られるのかがすごく気になっていました。でもだんだんそれは、どうでもいいと思うようになりました。年齢を重ねて、自分がこの仕事しかできないと身に染みてわかってきたので、もうこれからは、人の目を気にせず、ただがむしゃらにやるだけですよ」
青柳さんに3つの質問!
Q. 今、ハマっていることは?
A. コーヒーです!
「最近、コーヒーの豆を自分でひくようになりました。詳しくないですし、始めたばかりなんですけど。散歩中にいいコーヒー屋さんを見つけたら、豆を何種類か買って、『これとこれどう違うんだろ?』と家でひとりでやっています。好みのコーヒーはガツンとくるやつかな」
Q. 役が抜けないという体験はある?
A. ないけれど毎回役の余韻に浸る
「今回は『プライベートでも役になりきってしまう役者』の役です。僕自身は役が抜けないってことはほぼないかな。カットがかかって、監督と話してメイクを落とすと自然と抜けていく。すべての撮影が終わると、寂しいなって余韻はあるけど、それに浸っていくうちにだんだんと自分に戻っていきます」
Q. コミュニケーションで意識していることは?
A. 時間をかけて慣れること
「僕は、実は初対面の人とコミュニケーションをとるのは得意ではないんです(笑)。今回の舞台も初めましての人が多くてちょっと緊張しますね。でも無理せず時間をかけてお互いを知って慣れていくことが人間関係では大事なんじゃないかな」
『三十郎大活劇』
作/鈴木聡
演出/ラサール石井
出演/青柳翔、横山由依、入野自由 ほか
日程/東京:4月2日(土)~17日(日)、大阪:4月23日(土)、24日(日)
会場/新国立劇場 中劇場(東京)、COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール(大阪)
青柳翔(あおやぎしょう)
1985年4月12日生まれ、北海道出身。2009年劇団EXILE入団。映画『たたら侍』『孤狼の血 LEVEL2』、舞台『人間合格』、配信ドラマ「今際の国のアリス」などに出演。