18歳となったKōki,さんには、女優という新たな肩書きが加わった。覚悟と勇気を持って人生を切り拓き続ける彼女に、主演作撮影の舞台裏と、自分らしい人生の歩み方をインタビュー。
自分の人生を自分の足で歩む覚悟
モデルとして鮮烈なデビューを果たしたのは、彼女が15歳のとき。インターナショナルなファッション誌でカバーを飾り、瞬く間に「Kōki,」という名前が世界中へと広まった。デビュー当時のKōki,さんから感じられたものは、夢に向かってどこまでもまっすぐなピュアな心とあふれ出る情熱、ポジティブな勇気、そして覚悟。ティーンエイジャー特有の甘美な夢を語るというフワリとした気持ちではなく、デビューしたその日から彼女はずっと“覚悟”を決めているかのように。それは、世間に出ることに対する刹那的なものではなく、ひとりの人間として、自分の人生を自分の足で後悔なく歩むと決めた覚悟のように見えた。女優デビュー作にして、初主演となった映画『牛首村』。「オファーを受けて、やるって決めた時点で覚悟はしていました」と、Kōki,さんは笑顔で語った。
「このお仕事のオファーを受けて、まず最初に自分に務まるのだろうか…と不安になったと同時に、湧き上がってきたのが『やってみたい』『挑戦してみたい』というワクワクする気持ちでした。まさか主演のお話をいただくとは思っていなかったので、本当に驚きました。女優という新しい挑戦への決意を後押ししてくれたのは、家族の存在でした。演技は初めてのことなのでやっぱり少し不安な部分もあったのですが、家族が背中を押してくれ、父に相談をしたときに、台本の裏側に“ENJOY & DO YOUR BEST!”というメッセージを書いてくれて。とにかく楽しみなさい、新しい経験と新しい挑戦だから自分ができる100%で頑張りなさいという言葉がすごく支えになり、撮影現場でもその言葉を何度も思い出して、大きな勇気をもらいました。休憩時間にも姉のCocomiに電話したり、撮影中は家族からはたくさんのアドバイスをもらっていました」
2020年に公開し大ヒットを果たした清水崇監督作品映画『犬鳴村』、それに続き昨年月に公開された『樹海村』。Kōki,さんがスクリーンデビューを飾ったのは、待望の“恐怖の村シリーズ”第3弾の『牛首村』。富山県魚津市に実在する北陸最恐の心霊スポット・坪野鉱泉を舞台に、不可解な出来事に巻き込まれる女子高生姉妹のひとり二役を熱演した。
「脚本を初めて読んだとき、ストーリーにすごく魅了されました。どんどん読み進めたくなる物語の展開で、怖いシーンも本当にゾクッて寒気がするように描かれていたので、すごい!と思って。今回、私は奏音(姉)と詩音(妹)の二役を演じたのですが、それぞれがどういう性格をしているかを考え、自分との共通点を見つけることで役作りを行いました。私にも大切な姉・Cocomiがいる。奏音と詩音の姉妹愛だったり、ふたりの強い絆だったり…自分自身と共通する点がとても多かった。たとえば守ってあげたい、姉に甘えたいという気持ちなど。奏音と詩音の根底にある想いにおいて、共感できる部分が多かったんです」
いつも前向きでポジティブに
自分ではない“別人”を演じる女優という新しい扉を開いた今、新たにどんな感情と出合ったのだろうか。
「撮影の後半になると、この現場から離れるのがすごく寂しいなという気持ちになりました。もう奏音と詩音に会えなくなる…自分のなかからいなくなっちゃうんだなと悲しくなり。撮影中は毎日が印象的で、学ぶことがとても多く本当に素敵な経験をさせていただきました。私にとってすべてが大切な記憶と経験になりました。感情をグワッと出す部分では集中力を保つ方法やそのコントロールを身に付けたり、“役”を演じるためにキャラクターの家族を含めた背景について考え、監督と相談したり、モデルとは異なる作品へのアプローチがとても学びになったと思います。あるシーンを撮り終えたとき、監督が『今のシーンの感情の持っていき方がカッコ良かったよ』とおっしゃってくださり、そのときは本当にうれしかったです。出来上がった作品を観たときはウルウルきました。撮影中のいろんな思い出が一気にフラッシュバックして、約1ヵ月半の撮影を終えて、それがひとつの作品になったんだなという感動もありました」
'90年代のスーパーモデルに憧れて、モデルになる夢を抱いたKōki,さん。その夢を15歳で叶え、次に女優という新しいステージに立つ。なりたい自分に近づく方法について聞いてみた。
「いつも前向きな姿勢、ポジティブでいること。自分がどうなりたいかと目標をしっかり立てることが大切。実は私、けっこう落ち込みやすく、悩みがちな性格なんです(笑)。気持ちが落ちてしまったときは、家族、特に母に相談して跳ね返す力をもらっています。自分の性格を自己分析すると、負けず嫌いで頑固。あと、やっぱりポジティブ。未来のためにもいろんな経験を積み重ねて、自分を磨き上げて、宝物を増やしていきたいなと思っています」
Kōki,(こうき)
2003年2月5日生まれ、東京都出身。’18年5月『エル・ジャポン』のカバーでモデルデビュー。その後、国内外のファッション誌やラグジュアリーブランドのアンバサダー、CM出演、’19年5月にはパリでランウェイデビューを果たすなど、異例の早さでキャリアを積み上げる。また音楽分野でも、中島美嘉や三浦大知、工藤静香に楽曲提供するなど、作曲の才能を発揮。2月18日公開の映画『牛首村』にて初主演で女優デビュー。
映画『牛首村』
恐怖の村シリーズ第3弾、禁断の映画化! 九州を舞台にした『犬鳴村』(2020年)、富士の『樹海村』(’21年)に続き、今回新たに恐怖が生まれるのは、北陸最恐の心霊スポット。“坪野鉱泉”など北陸地方出身者なら誰しもが知るスポットを舞台に、ホラー界の巨匠にして、これまでの村シリーズ全作を手がける清水崇監督が極限の恐怖で観客を追い詰めるホラー作品。主演は本作で映画初出演・初主演のKōki,。不可解な出来事に巻き込まれる女子高生姉妹のひとり二役を熱演。世界中に恐怖の連鎖を生み続ける「村」シリーズの最新章が、今、幕を開ける…。2月18日(金)より全国ロードショー。
https://ushikubi-movie.jp/