映画『明け方の若者たち』で久しぶりの共演を果たした北村匠海さんと黒島結菜さん。削ぎ落としたファッションが好きだと語るお二人に、究極のシンプル“白と黒”で、自分らしさを表現していただきました!
流行ではなく“ストーリー”が重要――北村匠海
基本的に僕は、欲深い人間です(笑)。小さいころはサッカー、バスケ、水泳を習っていて、この仕事を始めてからは、芝居に加え、作詞、作曲、ギターなどの楽器、あと写真を撮ったり、絵を描いたりするのも好き。クリエイティブに関しては本当にいろいろなことをやりたいのですが、その一方で、ファッションはまっさらな感じが好き。究極、Tシャツにデニムが似合う人間でありたいです。20歳くらいまでは、けっこう派手というか、デザインや色で「俺ってこうだぜ(笑)!」と表現していたのが、21歳くらいからかなりシンプルに。いろいろと削ぎ落とされて、もはやゼロに近い感じですね。
でも、テイストは変化したけれど、“昔から古着好き”というところは変わらない。古着って、流行り廃りに関係ないところで存在するもので、それぞれにストーリーがあるじゃないですか。そういうのを知るのも好きだし、ヴィンテージ感があるアイテム同士をどう組み合わせるかを考えるのも楽しい。今回のスタイルは古着ではないけれど、“ヴィンテージ感”という意味では、自分の色がよく出ていると思う。ベースはデニムとTシャツですしね。
服って、背伸びをして着るものではなく、その人の生きざまで着るものだと思う。誰かを真似したりするのではなく、いかに自分らしく、着飾らずに生きるか。それが僕のファッションの目標です。
長く着られて飽きない服が好き――黒島結菜
自分がどんな人か…。さっぱりしてます。あきらめがいいですし、執着もないし、欲もない(笑)。そのせいかファッションもとてもシンプルです。基本はTシャツにデニムが多いですね。好きなブランドもそんなにたくさんはなくて、そこに古着をプラスしたりするのが好き。だから今日のスタイルは、まさに私って感じ! でも、さっきスタイリストさんに伺ったら、このパンツ、ヴィンテージのエルメスだそうで…。確かに生地感も良くて、なるほど、と思いました。
とはいえ3年くらい前までは、実はけっこう派手な服を着ていたんです。古着のレトロなワンピースとか、柄物とかを選ぶことが多かった。でもあるときふと、“派手なものって長く着られないな”と思い、そこから選ぶアイテムが変わり、長く着るために質にこだわるようになりました。なので今の私のワードローブ、とっても地味です(笑)。
ファッションに関してはわりと頑固で、自分ではあまり人の意見を聞かないほうだと思います。でもデビュー以来お世話になっているスタイリストさんは、密かにヒントをくれているのかも…。自分らしさって、周りにいる人や環境によって形成されるものだと思うんです。もしかしたら私らしい着こなしやファッションは、周りの人のほうがわかっているのかも。そう考えるとなかなか興味深いですよね。
北村匠海(きたむらたくみ)
1997年11月3日生まれ、東京都出身。2022年1月より舞台『マーキュリー・ファー』に出演。白井晃演出、共演に吉沢亮ほか。また同じく’22年に映画『とんび』が公開予定。
黒島結菜(くろしまゆいな)
1997年3月15日生まれ、沖縄県出身。2022年前期より放送されるNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で主演を務める。また11月にはオールナイトニッポンのパーソナリティを務め話題に。
映画『明け方の若者たち』
Twitterでの“妄想ツイート”が話題となり、10~20代から圧倒的な支持を獲得している作家、カツセマサヒコのデビュー作。二度と戻れない青春の一瞬をせつなく届ける。12月31日より全国ロードショー。
監督/松本花奈 脚本/小寺和久
出演/北村匠海、黒島結菜、井上雄貴ほか
原作/カツセマサヒコ『明け方の若者たち』(幻冬舎文庫)
http://akegata-movie.com/