アーティストイメージをひっくり返す壮絶な仕上がり。映画『キャラクター』の殺人鬼・両角役で鮮烈な俳優デビューを果たし話題をさらっている“セカオワ”のFukaseさん。その作品に寄せる思いを伺いました。
「気持ち悪い」が褒め言葉
「役者願望はなかったけど、10年前のツアーの打ち上げで僕『殺人鬼役ならやってみたいかも』って言ってたんですよ。そしたら本当に殺人鬼役がきてびっくり。でもやるからには迷惑をかけてはいけないので、約一年半、基礎の基礎から演技レッスンを受けまして。撮影の3ヵ月前から両角になりきり、両角の感情を作っていきました」
両角は漫画家の山城が描く事件を再現する、謎多き異常者。その絶妙なズレ感、薄気味悪さは最恐で、憑依型の芝居に鳥肌が止まらない。
「撮影中は『気持ち悪い』が褒め言葉で気持ち悪くないと監督もOKをくれない。だから永遠に気持ち悪い両角を求められたんですが、感覚を完全に掴んだのは菅田(将暉)さん演じる山城と対峙するシーンを撮ってから。両角は変な風に体を動かして歩くんだけど、その癖も山城と会ってから自然と出てきたんです。でも菅田さんと芝居をするのはめちゃめちゃハードルが高かった。気圧されそうになりましたけど、メンバーから『7万人の前で歌った男でしょ』って言われて、そうだなと(笑)。ビビる気持ちを抑えて演じました」
現場は和気あいあいと楽しく、撮影終了後は寂しくて虚無感に襲われたほど。役者・Fukaseをまた見られる?
「悪い役はまたやってみたいです。でもそれが定着しすぎるとSEKAI NO OWARI的にどうなのかなと。『RPG』とかで暗いバンド名から脱却して子供ファンも獲得したのに『あいつは殺人鬼』ってなるのは怖いから、もし次があるなら愛される悪役をやりたいです(笑)」
『キャラクター』
出演/菅田将暉、Fukase(SEKAI NO OWARI)、高畑充希、中村獅童、小栗旬
原案・脚本/長崎尚志
監督/永井聡
配給/東宝
※6月11日(金)全国ロードショー
Fukase(ふかせ)
1985年10月13日生まれ、東京都出身。SEKAI NO OWARIのボーカルを担当。今年7月にはオリジナルアルバムをリリース予定。