女芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で、世の女たちの生き様を観察します。
第26回 おじさんを道標にする女
年上の男性が好きな女の子って結構いる。
私の女友達が付き合う相手は、いつだってひと回り以上年上の男性だ。
22歳の時には46歳の人と付き合っていた。
確かに、男性の精神年齢は女性よりも低いから年齢差があるくらいがちょうどいい、なんていう説もあるけれど、果たしてそうだろうか?
年上男性に惹かれる理由として、
・落ち着きがある
・知識が豊富
・悩み事や困った時に頼れる
・経済的に安定している
あたりがあがるだろうか。
ちなみにその女友達に聞いてみると、「六本木の歩き方を教えてくれた」らしい。(なんだそれ)
もはや年下は目下、2、3歳差の男とは今となっては話がまったく合わないらしい。
まるで「私のレベルに達してない」というようなご様子だが果たしてそうだろうか。
首をかしげたくなる瞬間がたくさんある。
その女友達が楽をしているように見えてしまうのだ。
もし20代を旅と捉えるなら、年上男性はツアーガイドと言ったところだろうか。
現地(人生)についてのことは、一通り経験済みなのでなんでも知っている。
本来なら、山あり谷ありな道中をひとり頭を抱え、怪我をし傷つきながら切り開いていくものだが、その必要がまったくない。
とりあえずついていけば、自分で考える前に答えを教えてくれるのだ。
さらに、なにが美味しくて、どこが楽しくて、時に寝床まで用意してくれる。
自分の力では到底ありえない毎日が送れるのだから、利口で、それもまたバイタリティのひとつなのかもしれない。
しかし問題なのは、ツアーガイドは無知な旅人(若い子)が大好きということだ。
優雅にラクダに乗っているところ、他に目移りされ、カラカラの砂漠(30代過ぎ)で置き去りにされる可能性は大いにある。
そこから「今さらどうやって一人で歩いていいかわからない!」なんてことにならないよう、今のうちに、六本木、ではなく、武蔵小金井とか住み良い地域の歩き方を覚えておく必要がある。
最後に、
砂漠とかけまして
旅先と解きます。
その心はどちらも、
時に運河(運が)必要でしょう。
今日も女たちに幸せが訪れますように。