“大人のフリ”して放置(我慢したり、見て見ぬふりしたり)せず、煩わしい人間関係をぶった斬り、好きな人たちとだけ生きていく——。そんな“自分基準”を掲げて、人生を楽しく、生きやすくしていきませんか? 脚本家 岸本鮎佳さんの連載「私、幸せになるんで。はい、サヨウナラ」。あなたの人間関係やモノ付き合いの整理整頓&取捨選択に際し、ぜひご参考に!
vol.05「俺通信かどうか、それがすべてだ」
自分がその人のことを好きなのか、どうなのか。
自分の気持ちを確かめることは簡単だ。
私は、それを判断する1つのバロメーターがある。
好きな人からの連絡は、一日に何度来てもうれしいもの。
それがたとえ、どんなにつまらない内容だったとしても、一つひとつのの文章のやり取りが、まるで宝物のように、感じられる。
そう、好きな人であれば・・・。
大事なのは、そこに書かれた内容ではない。
仕事の合間に、わざわざ自分のことを思い出し、メールを打つ1分の時間を自分に使ってくれたことがうれしいから。
たとえばこんな感じで・・・。
彼「おはよう! 昨日はちゃんと寝られたかな?」
彼「俺は気付いたら寝落ちしてたよ~」
私「おはよう! うん♪ ちゃんと寝られたよ! 〇〇くん、寝落ちしちゃったんだね!」
私「お仕事で、疲れてたんだね!」
彼「(道端に咲くタンポポの写真)」
彼「今、公園でお散歩してる~♪ もう、春だね!」
私「タンポポ可愛い! もう春だぁ~♪」
・・・何だこれ!?
死ぬほどつまんない!
なぁ? このやりとりなんっにも、面白くない! 面白さゼロ! この女も男もまじつまんない!
こんなつまんない文章一体誰が書いたんだよ!?
・・・私だよ!!!
元彼とのメールのやりとりを見返して、自分のつまらなさにウンザリする。
っていうか、このやりとり意味ある?とさえ思う。
たいていの男女はこういう死ぬほどつまんないやりとりをして、幸福感を感じている。
恋は盲目らしいので、それは当然のことなのかもしれない。
大事なのは、愛し合っている2人が「連絡を取り合っている」ということ。
だから、どんなにクソつまんない内容でも構わない。
そう、好きな人なのだから・・・。
でももし、それが好きな人でなければ?
好きでもない男からこんなメールが送られてきたことはないだろうか。
「今から、ミーティング~。寝不足だから、しんどいわ~」
「(空の写真)」
「今日の空は、真っ青だぁ~!」
「俺の相棒は、今日も元気にやっております」
「(飼ってるメダカの写真)」
・・・で?
で? 何!? これ、SNSと間違っちゃってるかな?
え、そんな情報知りたくもない。
だって、好きじゃないんだもん!!!
付き合ってもいない、いい感じにもなっていない男から来る「俺通信」は、一番対処に困る。
初めはテキトーに相槌を打つ。
「ミーティングがんばってね!」
「うん! 天気いいよね」
「(メダカ・・・)」
「(満面の笑みのスタンプ!)」
や! それしかないだろ!
スタンプでごまかすしか、もう方法はない。
でも、こういうタイプの男はたいてい想像力がないから、こちらの気持ちを察することが出来ないから、気付いていないのだ。
この場合、女子が送るスタンプは、「もうお腹いっぱいです」を意味する。
そんな男と曖昧な付き合いを続けていても意味がない。
つまんないメールのやり取りほど、無駄な時間はないのだから。
これは、付き合う前の男女に限った話ではない。
付き合っている彼氏に対しても、そのメールが「俺通信」だと感じてしまった時点で、あなたはきっとその彼のことは好きじゃない。
だったら、その時間にあなたの好きな男性にメールをした方がいい。
ただし、くれぐれも「私通信」は送らないように。
後で見返した時、恥ずかしくないように、ちゃんと意味のある内容で。
好きな人からのメールは、心がときめく。どうでもいい人からのメールは、自然とため息が出ている。
俺通信か、好きな人からの愛おしいメールか、「好き」のバロメーターは、意外とシンプルであると私は思う。
自分にとって、どーでもいい男とメッセージのやり取りをするほど、私たちは暇じゃない。
俺通信男・・・はい、サヨウナラ・・・。
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