女芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で、世の女たちの生き様を観察します。
第18回 貸してくる女
あなたの周りにもこんな女性いませんか?
よく気が付き、面倒見がよく、お世話好きな女性。
誰かが、
「着てきた洋服にタグが付きっぱなしだった!」
なんて言えば、
「眉毛切るハサミならあるよ!」
と瞬時に差し出し、
また誰かが、
「うわ〜お土産買いすぎちゃった〜」
と言えば、
「ビニール袋持ってるよ!」
と鞄から取り出し、入れるところまで手伝ってくれる。
なにかと相談に乗ってくれ、
誕生日などのお祝いには上下関係などないはずなのに、こちらよりも少し高いものを差し出してくる。
徐々に
「あれ?さすがにここまでされると・・・」
と感じるようなことも出始めるが、時すでに遅し。
こういうタイプは、ある日突然、
「わたしが友達(あなた)のためにこんなにしてあげてるのに!」
と怒り出す。
一見、見返りを求めず、
「わたし世話好きなの〜」と仏のように見えるが、実はきっちり「貸し」としてカウントしているから気をつけなければいけない。
それでいて、不当金利だ。
知らない間にものすごい利息(してもらった以上の貸し)が加算されている。
(小さいハサミを)貸してくれた時は笑顔だったのに、積もり積もってある日、般若のような顔で取り立てにくる。もはや闇金だ。
時として、
優しい人には気をつけなければいけない。
最後に
世話好き女とかけまして
歌を覚えない人と解きます
その心はどちらも
すぐ貸し出す(歌詞出す)でしょう
今日も女たちに幸せが訪れますように。