女芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で、世の女たちの生き様を観察します。
第14回 彼氏が途切れない女
あなたの周りにもこんな女性はいませんか?
大人しそうな顔をして常に彼氏がいる。
その彼と別れた、と思ったらすぐに新しい彼氏が出来る。
彼氏なんて1人作るだけでもひと苦労なのに、彼女たちは悠々とやってのけてるように見える。
一人ひとりへの愛情が薄いのでは?とつい疑ってしまいそうになるが、そうではない。
毎回本気で相手を愛し、それと同時に違う誰かを愛してしまうのだ。
ある時は事実をうまく隠したり、またある時は同時に愛してしまったことを包み隠さず両者に話すも、決して揉めることもなく、すっと乗り換える。
そして元彼ともきちんと良好な関係を築き直してる。
それが常だ。
その華麗なる乗り換えは、まさにDJの如く。
二枚のレコード(2人の男)を
ターンテーブルに置き、(手玉に取り)
チェケラッチョする(転がす)様に似てる。
それぞれの音(話)をよく聞き、
最高のタイミングで違和感なく、次のレコード(男)に切り替えられるのだ。
ちなみに「彼に申し訳ない・・・」などという迷いや涙は、かぶりを誤魔化し、繋ぎ目を綺麗にするための技術だ。
レコードの傷(男の疲れやコンプレックス)あってこそ腕がなるのが一流のDJ。待ってました!とばかりに針を落とし(肯定し、励まし)新たなサウンド(男の魅力)を引き出す。
過去のレコード(元彼)たちも、
‟今いいビートを刻めてる(いい恋愛出来てる)ならそれでいいよ”
とグルーブさえ生まれているからすごい。
今日もDJ女たちは、腕を上げるべく、あらゆるところをつまみ、スクラッチしていることでしょう。
最後に
DJ女とかけまして
疲れていない人と解きます。
その心はどちらも、全然懲りない(コリない)でしょう。
今日も女たちに幸せが訪れますように。