女芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で、世の女たちの生き様を観察します。
第13回 見た目を裏切るパンダ女
最近友人が先輩にあたる、とある女性に悩まされているという。
その女性の第一印象はTHE・いい人そう。
どちらかというと少しふくよかで柔らかなイメージ。パンダやキャラクターグッズを好み、女性らしさというよりポップでチャーミング。職場でもマスコット的要素が強い先輩だそうだ。
友人は会ったその日に”癒やし系”と判断し、心を許して何でも話すようになったのだという。
が、一緒に仕事をするようになってすぐに気付いたことがある。
その先輩は、ゴリゴリの男好きだったのだ。
イケメンが大好きで、先輩のお気に入りと話すものなら、白目がなくなるくらいの横目で延々と鋭い視線が送られてくるのだそう。
そして、友人の営業成績がその先輩に到達しかけた頃。
「最近仕事で困ったりしてない?」とその先輩に聞かれたので、悩みを打ち明けると、伝家の宝刀「わたしは良いと思うんだけど上が・・・」を枕詞に、ニコニコしながら仕事のやり方を全否定され、挙句転職を勧められたのだという。
その見た目とのギャップにサイコを感じ震えたと・・・。
実はわたしもこういう”パンダ要素強め”な女性に会ったことが何度かある。
一見、のんびりふわふわ。
「争いや競うこととは無縁です」と言わんばかりのタレ目が特徴のゆるアイコン(女を敢えて全面に出さずユニセックスな印象)。
しかし見くびるなかれ。近くで見ればその目はかなり鋭く野生的(実際は誰よりも女で内心穏やかではない)。
草食なイメージが強いが、実際は雑食で肉のためなら外敵と戦う(男のためなら周りの女を出し抜く)ことも多々ある。
なにが厄介ってこういうパンダ系女子、
何も知らない周りからの評判はピカイチなのだ。
誰かが悪く言おうものなら、「あんな良い人なのに酷い」と非難されるのである。
男は羊の顔をした狼とはよく言ったものだが、比じゃないくらい怖いパンダ系女子。
本物のパンダ同様、遠目で眺めているのがちょうど良いのかもしれない。
最後に
パンダとかけまして
無人島と解きます。
その心はどちらも、
冬眠(島民)がないでしょう。
今日も女たちに幸せが訪れますように。