女芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で、世の女たちの生き様を観察します。
第7回 元彼を地の果てまで追いかける女
私の友人は、
「彼のインスタ見てたらさ、最近女ができたと思うんだよね」
と元彼のSNSを常にパトロールしている。
「彼がかけてるこのサングラス、拡大すると女が映ってるの! わかる!?」
もはや名探偵の域である。
手がかりが見つからなければ、絶対に証拠を掴んでみせる! 真実はひとつ!と言わんばかりにホシ(男)の捜査を続ける。
しかし、決定的な証拠を掴んだら掴んだでこの世の終わりのように落ち込む。
名探偵の推理力は、時に自分の首を絞めることになる。
一体、名探偵が求めているものは、その写真のなかにあるのだろうか。
本当はそんなもの見なきゃいいことくらいわかっているはず。
怖いな〜怖いな〜と言いつつ、最初は少し楽しんでる自分を止めれない。
ハッキリそうとわかるものをみたときには、勝手に恐怖し、後悔する。
まるで、心霊写真を見るのと同じだ。
厄介なのは、そうでないものまで、そう見えてくることだと思う。丸いだけで人の顔、彼の隣には知らない誰かが座っていた残像すら見えてくる。
そんな怪奇現象に惑わされて、名探偵はある真実に気付いていない。
そこに自分は、影すら映っていないということ。
早くその想いが成仏しますように。
最後に、
思い出とかけまして
代謝の悪い人と解きます。
その心は
どちらも褪せない(汗ない)でしょう。
今日も女たちに幸せが訪れますように。